俳句145:代を替え獣道へと秋彼岸

代を替え獣道へと秋彼岸

だいをかえけものみちへのあきひがん


季語:秋彼岸



 自主企画参加作品で、兼題は「秋彼岸」。


 祖母の実家は山の中にある。ポツンと一軒家とまではいかないが、見える範囲に家はない。行ったことがあるのも2回ほど。

 墓があるとこは知っていたが、家がポツンとあるのと同じで、墓もポツンと山の中にある。不自然に山の斜面に作られた階段の先は獸道。家はなく墓だけが残っている。

 山で不自然な階段を見付けた時。その先にあるのは、ポツンと墓かもしれない。


 実は、この山の中のポツンとお墓の横には、愛犬の墓がある。捨て犬を保護して15年、私が大学で家を出ていた時に亡くなった。

 亡くなる1ヶ月程前に、夢の中に現れた愛犬。夢の中で、勢いよく走って来て飛び付いてきた感触がしっかりとあり、それで目が覚めた。翌日に実家に電話すれば、もう永くはないとの話だった。


 不思議な力があると、信じたり積極的に肯定はしない。それでも不思議な経験は、覚悟する為の時間を与えくれた。

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