俳句144:卒業に一段飛ばす歩道橋

卒業に一段飛ばす歩道橋

そつぎょうにいちだんとばすほどうきょう


季語:卒業



 年々と歩道橋の数は減っているらしい。老朽化し、新しく架替える予算がなければ撤去されるしかない。

 小学校への通学路にも歩道橋がある。通学路は、交通量の多い道路の横断歩道を通らずに、歩道橋を渡ることになっている。


 だが、歩道橋が安全とも思えない。大雪となれば、階段は雪に埋もれ、階段を登れば吹き付ける風は強い。そして歩道橋を渡る為に、大きく回り道しなければならない。

 登校班があり、先頭と最後尾には上級生が配置されるが、子供の責任は重いような気もする。


 卒業すれば、もう歩道橋を渡ることはなくなる。卒業式は、六年生だけでの登校。歩道橋の階段を駆け上がっているかもしれない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る