俳句142:拘束の甲に針刺す無月かな

拘束の甲に針刺す無月かな

こうそくのこうにはりさすむげつかな


季語:無月



 一度しか経験したことがないが入院生活。どちらかといえば病院嫌い。出来るならば、市販の風邪薬などで済ませたい。しかし1ヶ月以上も微熱が続き、それも次第に悪化してゆく。諦めて病院に行った結果は、一発入院の寝たきり点滴生活。それが、初めての点滴でもあった。


 点滴は何日かに一度、刺し替えがある。腕で良い場所が見付からず、刺されたのは手の甲。多少動かしても痛くはないのだが、体は微動だにしない。


 もっと刺す場所はあったはずなのに、妻の助言を無視し続けた報いなのかもしれない。

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