俳句80:黒髪と落ちた白髪の日向ぼこ

黒髪と落ちた白髪の日向ぼこ

くろかみとおちたしらがのひなたぼこ


季語:日向ぼこ



 歳を重ねるとともに、白髪が少しずつ増え始めてきた。昔に聞いた話で、「白髪は抜けない」。特に気にはしていなかったが、何となくそうなのかとも思っていた。父親も祖父も白髪で、禿げてはいなかったので、間違ってはないと思っていた。


 しかし、とんだ嘘っぱちな話。白髪だって普通に抜けるじゃないか! ただ抜け落ちても目立たないだけの話。


 それに気付いた時、急に髪の毛が気になりだす。昔と比べれば、髪の毛が細くなった気もする。そして、急に目につくようになる、抜け落ちた白髪。


 大丈夫、遺伝は強い! と言い聞かせながら、父親の頭を見る。

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