俳句78:廃校に耳を澄ますや忘れ草
廃校に耳を澄ますや忘れ草
はいこうにみみをすますやわすれぐさ
季語:忘れ草
自主企画の兼題で一句。エピソード番号は78に飛びますが、後で入れ替えします。
「忘れ草」の季語としての力は、優秀で「オレンジの花の色」と「記憶」。五感以外の「記憶」を感じさせる季語は、他にはないのでは?
ただ季語の「忘れ草」に大きな意味を込めすぎると、残る十二音が弱くなりすぎる為、まず「色」の対比。
「廃校」の古びた・褪せた色と、そこに変わらず咲く「忘れ草」のオレンジ色。そこに、「耳」という情報を与え「聴覚の記憶」=「子供の声」を付加する。
とうの昔に廃校になった場所に、今も変わらず咲く忘れ草。今も耳を澄ませば、子供達の声が聞こてえてくる。いや廃校となったことも忘れ、子供達の声を聞こうとしているのかもしれない。
それは人であるかもしれないし、忘れ草かもしれない。
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