俳句71:極楽の白線を行く蚯蚓かな

極楽の白線を行く蚯蚓かな

ごくらくのはくせんをゆくみみずかな


季語:蚯蚓



 雨上がりに地上へと出てくるミミズ。地中から出てくるだけでなく、アスファルトの上にまで。梅雨の時期に、通勤途中で良く見かける光景。


 全身で呼吸するミミズにとっては、雨が染み込んだ地面からでは十分な酸素が吸収出来ない。酸素を求めて、地上へと這い出してくる。

 しかし、アスファルトの上に出てしまったミミズの多くは、戻ることの出来ない片道切符。酸素を求めて這い出してみたが、次に襲ってくるのは乾燥。


 水を嫌い逃げ出した結果としては、残念な結果。アスファルトがなければ、こんなことは起こらないのかと、少しだけ思いながらの通勤。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る