俳句72:頭垂れ首振り止めし扇風機

頭垂れ首振り止めし扇風機

こうべたれくびふりやめしせんぷうき


季語:扇風機



 私が子供の頃から、使っている扇風機。カクカクの形で重いが、とにかく頑丈で壊れない。扇風機本体は、熱くなっている気がするが、なに食わぬ顔で首を振り、まだまだ現役続行の意思表示にも見えた。

 しかし、別れは突然訪れる。下を向き、顔を上げようとしなければ、首も振らない。扇風機の寿命としては大往生だと思う。

 技術の進化によって、全てが薄くなり耐久性は失われている。もう、ここまで長い付き合いをする扇風機は現れないだろう。


 扇風機の首振りを詠んだ句は多そうな気がするが、これは現役引退した扇風機の句。

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