第38話 有銘の意識
救急車で運ばれた
医者と看護師の声が飛び交う中に運ばれて三〇分程度が経過しようとしていたが、
――ふわふわとした感覚が体全体を
小波有銘の意識は
自分が死んでいるのか、生きているのかの区別さえも曖昧だった。
頭の中で様々な情報や言葉、動画や画像が
そうしているうちにそれらは風船やシャボン玉が割れてしまうかのようにパチンという音を立てて
――パチン、パチン、パチン…………。
焦れば焦るほど割れる速度は早くなり、ついに最後の一つも割れてしまった。
残されたのはただただ
何かをやろうとしていたことは分かるが、それが何か分からない。……というよりもっと正確に言うのであれば思い出せなかった。
――…………私は誰で何者なんだろう。
そんな中で有銘の目に映ったのは両親と
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます