第19話 事件の共通点
各々が各々の方法で調査を終え、今日はその報告会である。
「ただいま戻りました」
「おっかえりー!」
「……おかえりなさい」
リビングで両手に持ったクレープを
いつも通りの光景に胸を
それ
走れ! 俺の魂! 何年、何十年かかろうと、伝えられなかった気持ちを!
図書館にも行かず照れくさくて言えなかったその気持ちを、包み隠さず伝えられる!
走れ! 俺の魂! 何年、何十年かかろうと、伝えられなかった気持ちを!
たとえそれが治せないほど辛く悲しい真実だとしても、恐れずに伝えられる!
一條にコピーさせてもらった曲を聴き、サビの部分の歌詞も書き出してみた。
歌、
歌っているのは反逆の狼煙というグループ。そして、その中のボーカル、グエラという人物が作詞と作曲をしている。
このグループがどんなグループなのか、グエラという人物がどんな人物なのか、彼方は出来る限り調べた。しかし、過去に
不自然なくらいに
「よし! 彼方君も来たことだし、さくっと済ませちゃおうか!」
有銘が服の
「その前に……はい。口元を拭きなさい」
見かねた田所が小さく
ん、ああ、ありがとう、と言い有銘は口元に付いた生クリームやチョコを拭く。
有銘が自分の思ったことを真っ直ぐに実行し、それを後ろから田所がサポートする。
彼方はそんな何でもない日常が
――ずっとこの時間が続けばいいのに……。
彼方は心の中でそう思うが、それが叶わない夢であることは彼方自身が一番理解していた。
――周りの人たちは何年後か、何十年後かに皆死んでしまう。そうしたら僕はまた一人でこの世を生きていかなくてはいけないのか……。
今までの彼方であればこんなことを思うこともなかったのかもしれない。
しかし、
――そんなのは嫌だ。僕も皆と同じように歳を取って老い、寿命を
その気持ちに気づいてからというもの彼方の個人的な目標はひとつ。
『この体質を消し、普通の人として死ぬこと』
自分のことだけを考えるのであれば
それは理解している。
しかし、それでは
何より自分だけが個人的な目標を達成しても意味がないことに彼方は気がついていた。
――その選択肢だけは避けなくてはいけない。
「――よし! 改めて各々報告していこうか!」
彼方が
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