第3話 (同い年の)お兄さんと試合
1位の座を賭けた、俺との勝負相手は-
「…フッ、弱そうだ。よくここまで上がってこれたな」
と、勝ち誇った笑みを浮かべる、国の中では2番目に権力を勝ち誇っている貴族の息子であり後継ぎ、[ソラ・パンイデ]であった。
「この人、強そう。兄さんじゃ絶対勝てないよ。ププッ」
ソラの弟が馬鹿にしたように言う。
「はぁ?」
「試合開始!」
審判が言う。それとほぼ同時に、
「ハハッ、怯んだか!やっぱり、弱いなあ、お前!」
しかし、茨道は俺に当たらなかった。
「なっ!?」
俺が隠していた能力の一つ、
「ハハ、逃げることしかできないのか?でも、俺の攻撃から逃れられたことは褒めてやるぜ!」
小馬鹿にしたような口調で、ソラが言う。しかし、顔は『は?なんで避けられたんだよ?やばい!!』と言っている。感情がよく顔に出る人だな。
その隙を利用して、俺は
「…!!」
ソラは抵抗する間もなく、しゃぼん玉で包まれた。泡は、一見弱そうだ。しかし、割れるまで上昇し続ける。しかも、割れると落下ダメージと割れた時のダメージ両方を防がないと、まともに戦うことはできない。また、攻撃しても泡に吸収されるだけで、攻撃は不可能。外側から攻撃しても、泡を作った者以外は、割れない。ちなみに、割れる時や上に上昇する速さはは泡を仕掛けた者が自由に決められる。
そして、割る。
「痛い!痛い‥」
ソラが叫ぶ。割れた時のダメージで、まともには戦えなくなる。どうやら、目にも入って、見えないっぽい。これじゃあ、落下ダメージは防げない。
落ちた。その瞬間、ソラから血が流れてくる。失神もした。
「ソラ・パインデ、戦闘不能。よって、リク・ラズールの勝利」
審判が静かに言う。同時に、お互いに
「ボッロボロになってやんの。ふひひ」
ソラの弟、ソウが言う。おいおい、こいつを怒らせたらやばい気がするぞ。
「なんだと、テメェ…許さねぇ!」
回復したソラがソウを容赦なく追いかける。楽しそうでなにより。
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