看病

 僕がのろのろと体を再起動して起きてきたのはかなり遅くの時間であった。

 時間にして、三日間は寝たきりだったことになる。


「……これは、ずいぶんと迷惑をかけちゃったかな」


 自分が泣かされていたベッドから起きてきた僕は自分のベッドで寝落ちしていたルーエたち三人を見て声を漏らす。


「……」


 僕は三人へと静かに視線を送り続ける。


「あら?起きたのかしら」


 そんな中で、部屋の中へとウルティが入ってくる。


「もう体は大丈夫なのかしら?」


「あぁ、うん……何とか回復したみたい。やっぱり、魔力が足りないからって生命力まで削ったらだめだね」


「当たり前じゃない。普通は生命力なんて削らないのよ、というか出来ないのよ……なんで、そう簡単に己の生命を削るなんていう禁忌を平然と行っているの?」


「僕は器用だったから」


 結構愛用している魔力の代わりに自身の生命力そのものを削って魔法を発動する術は純粋な命の危険もある上に難易度も高い禁忌。

 だが、それでも僕は持ち前の器用さでこの禁忌を自由自在に使いこなしていた。


「ここまででもしないと……三人に並び立つなんて無理だからね」


 僕はありとあらゆる術を使っても届かないのだ。

 それなのに、並び立たせてもらっているのだ……僕に出来ることを


「それでも自分の体は大事にしてよね。私たちも、心配するわ」


「大丈夫。基本的には僕だって回復できる程度にしか削っていないから……今回は回復しきれない可能性もあるかもだけど……まぁ、何とかなるレベルだから大丈夫」


 今回は流石に生命力を削りすぎたけど……寿命が五、六年縮む程度で済むのではないだろうか。


「はぁー、それが何度も続いたら問題でしょ。今回のような事例が他にもあったら同じことをするのでしょう?私も色々と言いたいところあるけど。まぁ、今回は三人に譲りましょうかしら。横、見てみなさい?」


「……ぁ」


 ウルティの言葉を聞いて視線を移すと。

 いつ起きていたのか、こちらの方にジト目を向けているルーエたち三人の姿があった。

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