説教
どこから話をきいていたのだろうか。
「あっー、えっとぉ」
いつの間にか目を覚まして、こちらの方に視線を送っているルーエたち三人を見ながら僕は口をどもされる。
「おはよう?」
僕は震えながら三人へと声をかける。
流石に、僕でも容易にわかる。
自分の生命力を削って、寿命まで遠慮なく削りました、なんて自分に好意を持ってくれる三人に知られたら怒られることは確実である。
「……どういうことですかぁ?寿命を削ったぁ、なんて私は知らなかったんですけどぉ?そこまで、するとは決して言っていないわよねぇ?少なくとも、私は知らないわよぉ?ねぇ、どういうことかぁ、教えてくれるかなぁ?なんで、自分を軽視するような真似をするの?」
「どういうことだい?いや、君にも考えがあることくらいわかっているさ。それでも、そう。僕たちにだって考えがあるんだ。僕たちはコーレンさえいればそれで、それだけで本当に良いんだよ。それなのに、何だい?これは。僕たちへの宣戦布告かい?監禁されたないなら用意はあるよ」
「……見つけなきゃ。見つけつけねきゃ見なきゃ見つけねきゃ見つけなきゃ見つけねきゃ見つけなきゃ何とか寿命を延ばす方法を回復しきれなかった生命力を治す術を私なら出来るできるデキるデキル何のためにこうして立って回復しているのか大丈夫大丈夫大丈夫見つけつけねきゃ見なきゃ見つけねきゃ見つけなきゃ見つけねきゃ見つけなきゃ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ私よりも先にコーレンが死ぬなんて認められない意味が分からないダメだダメだ嫌だコーレンが死んだ世界なんて見たくない私はコーレンと一緒に死ぬんだ」
三人は堰を切ったかのように同時に、大量の言葉を話し始める。
「あ、あはは」
もう何を言っているのかも僕は聞き取れない。
聖徳太子ではないのだ、僕は。二人同時に喋られるだけで何を言っているのかわからなくなってしまう凡人である。
「少しくらいなら良いかな、って?これくらいしないと僕はみんなに追いつけないし、さっ?」
「「「正座」」」
僕の言葉は火に油を注ぐだけだった。
「……はい」
それから、僕は三人から淡々と叱られたのだった。
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