その他は

 星霜の風の代表として僕が己の意見を述べ終わると共にその他の冒険者たちの議論が活発になっていく。


「まずはコーレンよ。上に立つことを容認してくれて感謝しよう。星霜の風からの全面支持は非常に助かる。その上で、戦闘時も最大限頼りにしている。既にわかると思うが我々鉄華の剣は上に立ちながら冒険者ギルドとの連帯を示す。その他はどうだろうか?」


 まず、口を開いたのは鉄華の剣のリーダーだ。


「俺たちは剣だ。振るう者がいなければ話にならない。星霜と同じで俺たちも冒険者ギルドの指示に全面的に従う。最強の剣をうまく使ってくれ」

 

 次に口を開き、迷いなき意思を伝えたのは身体の剣の者たちであった。


「私たちのパーティー結成理由は知っているでしょう?私たちは男の傘下に入ることも、共に戦うこともしない。好きなように戦わせてもらうわ」

 

 それに対して冒険者ギルドの指示には従わず、好きに動くことを公言するのは四季の花の面々だ。


「申し訳ないが、私たちも冒険者ギルドと共に動けぬ。当然、我らの上司たる冒険者ギルドのことは心より信頼しているが、それでも我らの全は主なり。主の命に従い、我らは教会と共に戦う。それゆえ、冒険者ギルドの連帯を示さぬ。それをどうか許してほしい」


 色々と特殊な神の御心は冒険者ギルドではなく、教会と戦う旨を公言する。


「私は星霜と動くよ。だから、冒険者ギルドに従うことになるわね」


 そして、僕の隣に立っていたウルティも口を開き、自分の意思を告げる。

 それからも各々パーティーが意見を時折かわしながら、自分たちがどう動くかの方針を決め、口にしていく。


「……私たちは、ある程度の自由意思をもって動くが、それでも上の意思には出来るだけ従う」


 そして、最後に若干不貞腐れている星屑の風は自分の意思を告げたことですべてのパーティーの意思表示が済む。

 

 最終的に冒険者ギルドの意思に従うのは星霜の風、鉄華の剣、身体の剣、星屑の風、はぐれの誉、ウルティの六パーティー。

 自分の意思で戦うことに決めるのは四季の花、宝典の龍、赤の冒険者の三パーティーとなるのだった。

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