自分たちは
グランドマスターが告げた言葉。
「はい!」
それに対してまず真っ先に反応したのは新進気鋭、僕たちより後発でありながらもその名を急速に高めている星屑の風のリーダーである女子、カンナである。
「何故、リーダーがそこにいる鉄華の剣なの?そこは!最強である星霜の風の皆様方にお願いするのが一番です!」
星屑の風のリーダーの口から出てきたのは自分たちのことではなく、星霜の風も絡めた全体のリーダーに対する疑問である。
「それに関しては僕から答えるよ」
星霜の風への憧れを口にし、そのパーティー名も僕たちをのことを意識している彼女たちの言葉に対しては僕が口を開く。
ちなみに、僕たちのパーティー名である星霜は雪のことで、名前の由来は雪がよく降って積もっていたド田舎から新しい風を吹かせるという意味なので、星屑となるとそれはそれでちょっと別にはなる。
「……何さ」
立ち上がって口を開く僕に対してカンナは忌々しいものを見るような視線と共に口を開く。
さらにちなむと、僕は星屑の風のメンバーからの評価はすこぶる悪い。
彼らから感じるのは足手まといのクソ雑魚は帰れという強い圧力である……今すぐにでも死んでしまえ、と思われていると思う。
「まず、ルーエたちはこの場に僕一人だけを行かせていることからわかる通り、
自分のことを吹いて飛ばすことくらい簡単だろう彼女たちからの視線を前に胃が痛くなりつつある僕はそれでも自分の言葉を告げる。
「ついでに言うと、僕を含めてうちのパーティーは魔王について知らなかった。そもそもつい最近まで魔王が何かも知らなかった僕たちが旗印になるのも違うだろう」
「「「えっ……?」」」
魔王を知らなかった。
その言葉を聞いた全員が驚愕の表情を浮かべる。
「えぇ、そうね。私は星霜の風と個人的に仲が良くて……ルーエたちとも話すことが多々あるのだけど、彼女たちは魔王について全然知らなかったわ。ついでに言うと、私の説明を聞いても大して意識を払っていなかったわよ?この中で、唯一。対魔王の戦線に加わるのに前向きではないパーティーがいるならそれは星霜の風だと思うわよ?」
そんな中で、唯一事前にそれを知っていたウルティが言葉を話す。
「参加しないことはないから安心してほしい。星霜の風の方針を定めているのは僕であり、その僕は参加を表明するつもりであるから。そして、グランドマスター。僕たち星霜の風の公式回答としては、冒険者ギルドの指示に全面的に従う。好きに使ってほしい」
自分の言葉に対して補足してくれたウルティの言葉を一部、否定しつつ僕は星霜の風がどう動くかの方針をグランドマスターに告げるのだった。
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