第487話 【驚天動地】神様のいない月
――――はじめましょう
――――――――――――――――――――
激動のイベントを乗り切って、九月最後となる定例生配信を乗り切って……こまごまとした撮影やお返しボイスの録音・送信や、
次なる『せっかくとりっぷ』の行き先抽選、それを行う『生わかめ』をすぐ間近に控えた……九月三十日の、深夜。
「………!!?」「っとおビックリしたぁ!」
今まさに『おやすみ』しようとしていたおれたちを、突如けたたましい着信音が叩き起こす。
警戒心を掻き立てるこの発信音は、『対策室』からの緊急コールにほかならない。
「お疲れ様です。
『夜分恐れ入ります! 東京都渋谷区
「っ!!? すぐ向かいます!!」
『こちらも機動隊を向かわせます! お気をつけ下さい!
「
ここしばらく大人しくしてくれていたと思ったら……月が変わった途端に
普段は『大神』
神様たちが出雲へと呼び付けられた隙を突いた……イヤらしい、それでいて効果的な奇襲。
「フツノさまも嘆いてたのにね。『適当抜かす法螺吹きのせいで出雲の爺共が調子づいた』って」
「コレ終わったら是非とも改革して貰うとして……行ってくる。あの子らをお願い」
「おっけー。……気は進まないけど『なるはや』で起こして追いかけるよ」
「頼んだぜ相棒」
「任せろ相棒」
口では言葉を交わしながらも、相棒から貸与された装備をてきぱきと身に付けていく。
いつぞやの写真撮影で大活躍した『エルフの弓使い』のときの、頭の先から爪先までの完全装備には何歩か劣るが……それでも『
万全を期すための後方支援要員――ひと足早く『おやすみ』してしまった良い子ちゃん三人――のことを
果たして、
やはりこんな時間まで詰めているということは一般の職員さんでは無いらしく、狩衣姿で弓を持った『神使』とおぼしき姿のひとがそこかしこに見られ……って!
「ちょ……あ、あのっ!? 【
「は、はいっ! いま現在も奏上中に御座いますが、一体どういうことか一向に術を結ぶ気配が見られず……」
「ッ……!? ありがとうございます!」
おれの【探知】魔法は、もう
にもかかわらず、この合歓木公園近辺にはいまだ【
それは、つまり……あの『特定害獣』の駆除作業を、一般の方々が目にしてしまうということで。
「……だからって! 静観する訳にぁ行かないんだよね!!」
≪―――縺ェ繧薙d縺雁燕!!!!!!≫
≪―――繧?k豌励°縺雁燕!!!!!!!≫
「どうかお静かにお願いします! もう真夜中ですの……でッ!」
≪―――縺舌o繝シ繝シ!!!!!!≫
≪―――縺ャ繧上?繝シ!!!!!!≫
自身の纏う【隠蔽】効果つき外套のフードを目深に被り、念のために自前でも【隠蔽】の魔法を纏った上で……手近なところから、手当たり次第に『特定害獣』の駆除を開始する。
一体や二体どころじゃない数が湧き出ているので、とりあえず数を減らさないことには話にならない。神使の方々や
「ふ、ッ!!」
≪―――縺ャ繧上?繝シ!!!!?!?≫
おそらくは、現在進行形で何者かが【
とりあえずは目につく限りの敵を倒し続けて、可能であればその妨害している張本人を排除する。
そうすれば……とりあえずは、沈静化に向かうはずだ。そう信じたい。
(ノワ! みんな連れてきたよ!)
(!! わかった! ごめんラニ、
(えっ? …………ッ!!? 了解!)
行きがけの駄賃とばかりに『獣』を射殺し、おれは【門】の出現地点である倉庫へと急ぐ。
するとおれにとっては非常に馴染み深い、温かく心地よい
一般の人々が住まう世界からほんのちょっと異相をずらした異界に『異物』を引き込み、遭遇を回避する【
術者にとって馴染み深い『水気』を媒介とし、触れた者に一種の暗示を掛ける術。
魔力抵抗を持たない一般の人々に対して『人払い』を掛けるくらいなら……ちょっとした『時間稼ぎ』程度なら可能だろう。
なので、その間に……
「…………………………、………………。」
『感動の再会だってのに……ツレないねぇ? ツクシちゃん』
(やっぱり……出てくるよなぁ)
(多分だけど……この子のせいだね。このマワタマ神域の……
(どんだけ規格外なのよ……)
おれたちの合流を阻むように姿を見せた、この場には到底似つかわしくない小柄な姿は……残念ながらほぼ間違いなく、この襲撃を引き起こした張本人。
この
『勇者』の装いに身を包んだラニに、爛々と『敵意』に満ちた視線を向ける……【
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