第320話 【追加演目】専門スタッフの派遣要請
鶴城神宮や囘珠宮の敷地内を警備する『
彼ら彼女らが超常の力を行使できるのは、ほかならぬ主神との縁を繋ぎ、その力を借り受けているからに他ならないからだ。
神様の力が及ぶのは、せいぜい敷地内……神域結界の影響範囲に限られる。
そこから外に出てしまうと、神様から神力を届けるための『
かつて
あくまでも
廻り方の纏め役である
しかしそんな折、今まで沈黙していたラニちゃんが声を上げた。
しかもその口ぶりはまるで……敷地から出た神使でも、主神との
「セイセツさんに色々と協力してもらってね。キリちゃんとフツノさまのパスが切れたときの現象を、ボクなりに分析してみたんだけどさ? ……要するに『フツノさまの魔力を遠隔で送ることができれば、パスが切れない』わけじゃん?」
「そん…………そう、なの?」
「「「さぁ……」」」
「まぁ実際、そうだったんだよね。セイセツさんの紙人形で実験してみたんだけど、紙人形にその『フツノさまの魔力を受信する仕掛け』を施して、
「まじで!? ラニちゃんそんな実験やってたの! すごいねぇーえらいねぇー!」
『
「ちょっと!? バレちゃったの!!?」
『
えっと、つまり……ラニちゃんの宣伝文句を信じるのなら、そのラニちゃん特製の仕掛けさえあれば、神使の方々が敷地外でも――神様の神力の届く範囲外でも――
それはつまり……神使の方々にとっては、これまで出ることが叶わなかった敷地外を見聞する
『まァ、当然『全盛の状態』とは行かぬがな。神域と同じ様に立振舞える訳でも無い。神域外での荒事は……業腹だが、相変わらず
「なるほどねぇ。その悪鬼を退治するのは、ちょっと不安だけど……【
『然り。……荒事の際に【
「…………本当に……本当に、私と
『百霊様!?』
「恐らくは、ね。……セイセツさんの紙人形は帰還後もパス繋がってたし、何度試しても問題は見られなかった。……けど、実際にシンシの方々で試したことは無いから……」
『万が一、と云う
「……
『――――吾輩、は……』
黄金色に輝く瞳を大きく見開き、その中に仄かな困惑と……ほんの微かに期待の『気配』を乗せて。
しっとりふわふわの錆色の毛並みの、巡回警邏に並々ならぬ情熱を注ぐ――外界とそこに暮らす人々に並々ならぬ関心を寄せる――真面目でプライドが高い、錆猫の上級神使は。
「…………うん。じゃあ……
【
『
「ここにいる子たちが告げ口しなきゃバレないわ。よみちゃんの
『――――御意に』
歯を剥いて心から愉快そうに笑う神様と、慈愛に満ちた暖かみのある笑みを浮かべる神様に見守られ。
多分に実験的な要素を含む、前代未聞の『はじめてのおつかい』作戦へと……二柱の神様による完全バックアップ(技術提供:のわめでぃあ)のもと、満を持して挑むこととなった。
おれたちの仲間に、
頼むぞラニちゃん、信じてるぞラニちゃん。きみならできる。むしろできなかったら覚悟しなさいよ。でんぷんのりの刑が待ってるぞ。
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