第319話 【追加演目】業務引き継ぎの相談
「ごめんなさい、だらしないところ見せちゃって……」
『
「もぉ、
「「「いえいえいえ……!!」」」
「まぁ実際オレ見れてな
ほんわかした穏やかな笑みを浮かべ、目の前でお上品にほほえむ、神官のような特徴的な衣服に身を包んだ女性。
……いや、なんていうか……もう色々とツッコミどころ満載なんですけど……とりあえず、こちらの『少女』にしか見えないお方こそ、この『
正式なお名前は『
神様という存在の実力と横柄さを身をもって経験していたおれは、てっきりこちらの神様もそういう感じかと半ば諦めの姿勢だったのだが……急遽お目通しが叶ったモタマさまは、とても穏やかで優しげなお方だった。
「……
「う……
「ぇえ……この密度で……?」
『
な、なるほど。普段はこの世に身体をもっていないから、姿を現したときには『すっぽんぽん』だった、と。
普段であれば声のやり取りのみでコトは足りるし、わざわざこの世向けに身体を構築する必要もない。今回もそのつもりでフツノさまや
そこであわてて――正式な場よりは幾分ラフな格好だとはいえ――お召し物を繕い……『変なもの見せちゃって、ごめんなさいね』などとしょんぼりしているわけだ。
ちょっとかわいすぎやしませんか、
「だ、だってぇ!
『
「あらあら。それじゃあ……面白くないほうから聞かせてもらえるかしら?」
そう言うと……この国において屈指の信仰を集める、二柱の神様は。
方や『にやにや』、方や『にこにこ』と……それぞれの神性がよくわかる表情で、おれへと視線を寄越したのだった。
『
「えっ!? これじゃない!? えっと、あの……フツノさま!? 『おもしろくないほう』って『魔王』ネタじゃないの!!?」
『くくっ……
「……えっと、その……意外でした。てっきりフツノさまは……あの『魔王』たちの動向、全部把握できちゃってるのかな、って」
『
そういえば……あたりまえだが、神社にはそれぞれ祀られている神様がいる。
なんていったって……そこは日本、
以前聞かせてもらった限りでは、神様は基本的に『自前の神社の敷地から(本体は)出ることができない』らしいので、つまり『ご自身が治めている領地の外では、振るえる力が限られる』のだと予測できる。
よその神様の領地の中を覗き見たり、よその土地で暴れたり……なんかは出来ないわけだ。
「うふふ。私達ってねぇ、いうほど全知全能じゃないのよねぇ。……そりゃあ、私は治める土地と影響力は大きいほうだけど……数多の神々のひと柱でしか無いわけだし」
『
「やぁよ。せっかく
「えっ!? あの、でもまだ『魔王』の……面白くない話のほうが……」
「
「は、はいっ! 承知致しました!」
げに凄まじきは、圧倒的な『コネ』のちから。モタマさまと旧知の間柄であるフツノさまのお陰で、
今後この東京で『苗』の被害があった際は、この
具体的には……隠蔽工作や、報道規制や、超法規的措置などなど。
率直にいって……あのテのワイドショーのコメンテーターには辟易していたので、そのあたりもフォローしてくれるというのならとてもありがたい。
『後は……
「んーっと……
『
「んー…………
『!!?』
『……単刀直入に問おう。
「うぅん…………力を貸してあげたいのは山々なんだけど……この子と
「……っとお困りの、そこの
「えっ?」『
「そのお悩み……この【天幻】の万能アシスタントが、解決してみせます!」
………………えっ!!?
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