第317話 【追加演目】剣神がログインしました
まぁ、単に『
その敷地面積は、なんとじつに七十万平米にも及ぶという。
それはわれらが浪越市鶴城神宮のおよそ三倍……驚くべきことに、千葉県にあって東京の名を冠するあの某有名テーマパークよりも広大なのだという。
ふわふわの
図書館に併設された管理棟のような、鉄筋コンクリート造のひどく近代的なオフィスエリアの一角に……『
……まぁ、当然関係者以外立ち入り禁止区画なわけだけど。あたりまえだけど。
『……して、
「知りませんよそんなの。私達だって大変なんですから。
『
「よーく解ってんじゃないですか。貴方様と違って、
おれたち……小さなラニちゃんを含めた総勢
現在はテーブルを挟んで二人の人物が言葉の応酬を繰り広げているのだが……先程から女性がわの声色がなんというか、剣呑っていうか遠慮がないっていうか。
『……
「っ!! ……ああもう、わかった……わかりました。……
『――――御意に』
「
『
「…………へぇ? 貴女が?」
「……?? ……………………おれ!!?」
目まぐるしく進展する展開に、棒立ち状態で目を白黒させていたおれは。
突如こっちに飛んできた『パス』を受け止め損ね、初対面の方々の前で大変恥ずかしい思いをする羽目になったのだが……
『
「あのおそれながら大変申し訳ございません
……いったい、何がそんなに楽しいというのだろうか。
ラニが預かり持ち込んだという、所持がバレれば一発逮捕間違いなしの日本刀……神器【
神格は薄れても、存在感と笑い声の大きさは据え置きのわれらが神様は……それはそれは楽しそうに笑うのだった。
「さて。……騒々しいカミサマのせいで有耶無耶になってたけど、改めて自己紹介しとこうかしら」
おれたちをここへと連れてきた猫の神使――たしか『ナツメ』と呼ばれていた子――が退出して、しばし。
ニヤニヤ顔を崩そうとしないフツノ様(霊体)に埒が明かないと判断したのか……眼前の少女はおれたちに着席を促すと、盛大な溜め息の後そう口を開いた。
……そう、少女。例によって
ぴしっとした黒のスーツと、正直動きづらそうなタイトスカート。バリバリのキャリアウーマンって感じの服装に身を包んでいるが、タイツで包まれたおみあしはほっそりとしていて……全体的に華奢な印象を受ける。
明るいブラウンの髪はツヤッツヤでサラッサラで、後頭部高めの位置でひとつに結んで纏められている。お手本のようなポニテだ。
「私は……この
「き、恐縮です!! 自分は『
「ハイハイ! フツノ様の栄えあるメッセンジャーを務めました、異世界出身妖精のラニです! よろしくね、キンケーちゃん!」
「……なぁーるほど? ……あぁ、残念だわ。本当残念。……私達の氏子に居てくれたなら速攻で抱き込みに行ったのに」
『
「そうでしょうそうでしょう! さっすがキンケーちゃん、見る目があるね!」
「……うちの神様は良いわよ? 無茶振りしない、無理強いしない、笑い声も
「かっ、……考えておきましゅ」
えーっと……聞いた情報を整理すると、こちらの少女もとい女性が『神域奉行』の『
そういえばリョウエイさんのお名前、龍の影って書いて『
まぁ、
比較対照の
……言われた側のフツノさまは気にしてなさそうだし、まぁいいのか。
「……私達の上司は、あくまで
「えっと、いや、その……表面上でも敬意が現れてないように見えちゃうっていうか……」
『
「は、はぁ……そういうものですか」
ほかならぬ
それからしばらくの間、カッチコチに固まる
おれはというと、そんななんとも言いがたい現実風景から目を背けるように……応接室内のあちこちで思うがままにリラックスしている
あっ、あくびした。かわいい。
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