第88話 【帰途談話】ひどいこといわないで
この二日間、自分の管理者ページさえろくに確認できなかったおれに代わって、おれが投稿した動画の動向をしっかり確認してくれていたモリアキ。
彼のフォローに感謝するとともに、おれのこの二日間の行動と頑張りを共有し、あわよくば褒めてもらおうと情報公開したところ……何だか頭抱えて
なんだか顔色悪いぞモリアキ……大丈夫かな。頭が痛いのだろうか。それとも吐き気だろうか。……それは困る。彼はおれにとって欠かせない、大切な存在なのだ。
少し前だって……彼自身が抱え込んでいた仕事案件の合間を縫って、翼を授かったりモンスターの
「大丈夫かモリアキ……案件抱えすぎてない? ちゃんと休んでる?」
「いえ、最近は割と空けてるんで…………っと、ありがとうございます先輩。なんかめっちゃ楽になりました。……でも考えてみれば頭痛くなった原因先輩でしたわ。マッチポンプじゃないすか。最低っすね先輩オレの感謝返して下さいよ」
「ひっでぇな!? おれ何も悪くねえじゃん!!」
「あっ、これは……」
なんだか急に体調が悪くなったらしいモリアキを労ったら、全く
は? 納得いかねえ。おれはただモリアキが心配だっただけなのに。どうしておれが責められなきゃならないわけ?
「はーーーひっで。モリアキひっで。心配したったのにひっで。何がどうしておれのせいだってのよ」
「はぁーーー!? 馬ッ鹿なこと言わないで下さいよ!!
「そうなるよね。
「はぁーーーーー!!!?? 馬鹿って言う方がヴァカなんですゥーー!! 異常事態だろうが何だろうが案件貰ったのは事実だもーーん!! ちゃんと宮司さん直々に許可貰ったんだもーーん!! その証拠に……ホラホラホラ!! 宮司さんと
「…………うん。
白谷さんの万全のバックアップを受けたおれたちは、決して避けられない戦いへと身を投じていく。……くだらなくなんかないぞ、これはおれのそんげんを賭けたたたかいなのだ。(棒読み)
「どッッッこまで非常識なんすかこのド天然全方向人間タラシ幼女がッ!! はっきり言って今の先輩の対人スキル異常ってレベルじゃ無いっすから!! ドコをドウすりゃ
「うーん……まぁこんだけ張っとけば大丈夫でしょ」
「アッ!! まーた馬鹿って言ったバーカバーカ!! なァーにが非現実領域じゃ知った風に!! そんな今さらなこと言われなくても解ってますゥーー!! そもそも
「それじゃあまぁ……あとはお若いお二人でごゆっく」
「…………言われてみればそうすね。スミマセン先輩……ちょっと取り乱しました」
「えっ!? そこ終息するの!?」
「いや…………ていうかおれも、なんか……ゴメン。ちょっと…………いや、ぶっちゃかなり説明飛んだから……モリアキが混乱すんのも無理無いと思う」
「ボクは今まさに混乱してるんだけど……?」
……まあ、売り言葉に買い言葉ってヤツだよね。おれもモリアキも、本心から相手を貶したかったわけじゃない。……はず。
実際のところ神様の使いとか神域とか……白谷さんで慣れていたはずのおれだって、見事に大混乱したほどの非日常的存在だもの。
いきなり結論だけを告げられて、モリアキが混乱していないはずもなかった。
おれはオトナなので、顧みるべきところはしっかりと顧みる。
説明不足のせいで混乱させてしまったモリアキと……なんかよくわかんないけど、目を白黒させている白谷さんのためにも。
落ち着きを取り戻した運転手によって、走行が再開された軽自動車の車内にて……おれは現在の状況の再確認と今後の予定の確認も含めて、あらためて
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