第三章 柿本 泉
第三章 柿本 泉
私は今、役所の中にある福祉課にいる。わたしが福祉課にいるのは、謎の扉を開けてこの世界に来た時女の人に福祉課につれてこられたからである。
「私はここで働いている今井柚子宜しくね」
「宜しくお願いします。柿本泉です。」
「OK、どんなことをするか説明するね。泉ちゃんは、障害者の方のお困りになっていることを聞いてわたしに教えること。本来なら、こういうものがあるので使ってみてください。まで一人でやるんだけど、いきなりは難しいだろうしね。」
という感じで私は福祉課の仕事をすることになったのである。
職場体験が試練?おかしい。神様が怒ったのは仕事関係。仕事に関係のあるっていうのはわかる。でも他にも色々あるだろうに。この世界に来たばかりの私はそう思っていた。でもこの言葉は、翔君と同じで馬鹿にしているような言葉だったー。
すると車椅子に乗った女の人が現れた。
「こんにちは」
「こんにちは」
「今回担当させていただきます。柿本泉です。宜しくお願い致します。」
「宜しくお願いします。私は、宮本水蓮と言います。これ障害者手帳です」
「お預かりします。今回はどのようなことで?」
「今住んでいる家が生活がしにくいんです。リフォームしたいんですけど、リフォーム代が高くて困っているんです。」
「それは大変お困りですよね。少々お待ちください。」
私はこのことを、柚子さんに話した。すると
「障害によるけど障害者の人が生活しやすいように支援しているから物によっては補助金を出してるの。それを使えばいいんじゃない?」
ということだった。私は、柚子に詳しいことを聞くと急いで、水蓮さんのもとに戻った。
「ここは、障害によりますが補助金を出しているそうなんです。水蓮さんはこの補助金の対象者だと思うので補助金は出されると思います。」
「本当ですか。よかったぁ」
「障害があると大変ですよね。普通の人みたいに生活できないし、今回の水蓮さんみたいにリフォームなどはお金がかかるし(補助金が出ても)」
私は途中で話すのを止めた。水蓮さんの様子がおかしかったからだ。正確に言うとおかしいというか、顔がこわばっていた。
「どうしましたか?水蓮さん」
「貴方に私達、障害者の何がわかるんですか?ここで補助金を出したり相談に乗っているのは、障害者でも工夫して、普通の人たちと同じように生活できるようにするためでしょう!?私達のことを知ったかぶりしないでよ!」
「そんな、知ったかぶりなんてしてないですよ!?」
「じゃあさっきの私達障害者のことを知ったような口ぶりは、何なのよ!」
「・・・」
ー私は何が起こったのか分からなかった。なにが、水蓮さんを怒らせてしまったのか。私はただ、呆然としているしかなかった。だけど、しばらく経って水蓮さんも、我に返ったように呆然としていた。ー
すると騒ぎを聞きつけた柚子さんが、駆けつけた。
「・・・」
「何があったの」
わたしも水蓮さんも呆然としていたので柚子さんは、とても心配しているようだった。
「実はー」
私は何があったのか、柚子さんに話した。すると、柚子さんは水蓮さんにも何があったのか聞いて、納得したように、うなずいてから、こう言った。
「まず、まとめると泉ちゃんは、悪気はなく
「障害があると大変ですよね。普通の人みたいに生活できないし、今回の、水蓮さんみたいに、リフォームとかをするのには、お金がかかるし、(補助金が出ても)」
と言った。でもその話し方や中身の話で水蓮さんは知ったかぶりをしていて自分たち、障害者のことを馬鹿にしているように思った。それで水蓮さんは怒って今の状況に至るわけ。どうあってる?」
「「はい。」」
「最終的には、二人の感じ方の違いだったみい。」
「「ごめんなさい。」」
「え・・・」「へ・・・」
「なんであなたが謝るの。全部私が悪いのに。」
「違います。水蓮さんは謝る必要はないです。思い違いは、わたしの言い方が悪かったから。それに確かに今思えば、障害者や障害についてあまり詳しくないのにあんな分かったように、知ったかぶりしているのと同じです。ごめんなさい。」
「なんだ、お互い様か!」
ーそして私は、私達は、二人で一緒になって笑った。
この場所で私の中の決定的な何か、大きな歯車が動き始めたような音がしたー
気がしたのは気のせいだろうか?
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