第二章 清水 凛

第二章 清水 凛


私は今、学校にいる。


私が謎の扉を開けると、謎の世界が広がっていた。その場で呆然としていると、女の人に連れられてー


現在


彼女はこの学校のスクールカウンセラーをしているらしい。


「もしかして神様の言っていた試練って職場体験?本当にこんなことが試練なの。」


この時はこんなこと何でもないと思っていた。ある意味この考えも、翔と同じだったのかもしれない。


「私は近藤 翠。よろしく。」


そう彼女 翠さんは言った。


「よろしくお願いします。私は、清水凛です。」


「じゃあ、よろしくね。凛ちゃん」


私は翠さんに、主にどんなことをするのか、教えてもらった。すると早速、男の子と女の子が来た。翠さんは女の子の話を聞いて、私は男の子の話を聞くことになった。


「こんにちは。今回担当になった清水凛です。どんな事か、教えてくれるかな?」


「お前も子供だろ?偉そうに聞くんじゃねぇよ。翠先生のほうが断然良かったぜ。」


「意味分かんない。偉そうなのはどっち。」


「まぁ、礼儀はなってないが、悩みは特別に聞かせてやろう。俺の悩みは、ズバリ成績を上げるにはどうしたらいいかと、恋愛を成功させるにはどうすればいいかだ。」


「恋愛は無理ね。あんたみたいなやつは、女子の方から願い下げよ。成績を上げるのは自分で努力してあげるしかないんだから、自分で頑張りなさい。」


「せっかく聞かせてやったのに何なんだよ。来て損じたぜ。とんだ無駄足だな。まぁお前に今話したのは、お前に話そうと思えるかの、試しの嘘の悩みだけどな。俺は今日のところは帰るぜ。」


「何なのあいつ。意味分かんないんだけど。💢」


私が起こっていると、翠さんが心配そうに顔をのぞかせた。


「啓くんが怒って出ていったけど何かあったの?」


「啓くん?私が担当したあいつですね。それが、私に文句つけてきたんですよ。」


「落ち着いて。何があったの?」


私は、啓くんとのやり取りを全て翠さんに話した。翠さんはそれを聞くとうなずいてからこういった。


「そうね。凛ちゃんの考えもわかるわ。でも私は啓くんの気持ちもわかるかな。啓君も悪いところがあった。でもそれは凛ちゃん貴方も同じ。貴女は今カウンセラーよ。そのことはわかってる?カウンセラーは、その人とその人の悩みに寄り添うものなの。その時の気持ちで、後先考えず行動したらだめ。」


「そんなぁ〜でもぉ・・・」


「言い訳しないの!カウンセラーは難しい仕事よ。たしかに、自分の気持ちを尊重するのはいいことよ。でも、相手の気持も考えて相手のことも尊重していかないと、相手の本当の悩みは分からなかったりするの。悩みには色んな種類がある。言葉で表すことが難しくて、言葉で表せられなかった、悩めもあるし、自分でも気づいていない悩みがあるの。この世には、人の数だけ悩みがあるし、考えや個性、その人にしかわからない真実がある。人は自分のことばかり優先する。だからみんなが楽しく過ごすことは難しい。だから私達カウンセラーは、その悩みを解決するのよ。わかった?」


「はい。すみませんでした。」


「さっきの話からすると、啓くんは、きっとまたくるわ。その時は、また、あなたが、担当しなさい。」


「はい!!」


ーその時からだったのか、それより前だったのか。翠さんに会って私の中の、何かが変わり始めていた。その時から、わたしの人生という物語のクライマックス(最高潮)が始まったのだー。

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