ヴァンパイア・ハンター(night of the Vampire Hunter)
ヴァンパイア・ハンター(night of the Vampire Hunter)
ドイツ映画(2008年)日本盤DVD有り
監督ウリ・ミューラー
出演 ニコル・ミューラー
思い出したように吸血鬼映画の話をします。
わたしだっていちおう、吸血鬼映画マニアのプライドってもんがありますから、「観るんじゃなかった」っていうのは、吸血鬼映画に関しては口が裂けても言いたくないわけです。
でも、本作についてはうっかり口が裂けそうになってしまった作品。
日本盤も出てるんで(廃盤ですけど)探せばあると思います。
もの好きを自負される方は、是非ともご覧になってください。鑑賞後、無意識のうちに円盤を足で踏み割りそうになるかもしれませんので、レンタルは推奨されませんが、購入するのはさらに精神に来るのでお勧めしない……
と、まあ、ここまで期待値下げたらあとはなにが来ても大丈夫ですね。
虚無のこころで観たら楽しいのでお勧めです。
「あらすじ」
新進気鋭の作家イエンスには秘密の彼女がいた。実は彼女は吸血鬼で、何世紀もまえに彼女を吸血鬼に変えたマスター・ヴァンパイアを探し、滅ぼそうとする正義のヴァンパイア・ハンターだった!
そしてイエンスはそんな彼女に協力し、マスター・ヴァンパイアの痕跡を追っていた……
『ツッコミどころ』
ナンシー・A・コリンズの『ミッドナイト・ブルー』シリーズを思わせる設定で、ヒロインもソーニャ・ブルーよろしく黒のぴっちりしたスーツを身に纏っています。
まあ、容姿とかにいちゃもんをつけるのはヨクナイと思うんですが、この吸血彼女、なんというかこう、「ドイツ人女性」と書いて、想像してしまう先入観通りの「ドイツ人女性」を用意しました、的なごつさ。
ついでに言うと、主人公はぽっちゃりおでぶ。
いや、なんだっていいんですけど……このふたりでシャワーシーンの濡れ場とか見せられても、ごめん、あんまり嬉しくない……
あと、どう考えても家庭用ビデオカメラあたりで撮影したとしか思えない映像で、手ぶれは酷いし薄暗い映像は薄暗いままなのでなにが起こってるのかよく分からない。
いいように解釈すればドキュメンタリータッチの話運びなんで、それを意識した映像作りと言えなくもないんですが、まあ、予算の問題でしょうね。
しかし手ぶれはなんとかして欲しかった。酔う。3Dでもない映像で酔ったの、はじめてですよ。
ストーリーはノンストレスでサクサク進みます。ええ、薄暗いシーンでなにが起こってるのか分からないせいで、話を理解するのに手間取るほかはサクサク進みます。
何百年も探していたマスター・ヴァンパイアがあっさり見つかるくらい、サクサク進みます。
ラスト近辺、敵ヴァンパイアたちの襲撃を、主人公イエンスの意外な能力で撃退します。
イエンス、ダーツの腕前が神業で、襲撃してきたヴァンパイアたちをダーツで滅ぼしていきます。
ドラえもんののび太君の射撃みたいな能力ですね。
まあ、イエンスのダーツが外れそうになると、ヴァンパイアたちがわざわざダーツが飛んできそうな場所に移動して当たってくれるんで……
物語はハッピーエンドです。
これまで彼女の経験やモンスターハントの体験談をそのまま小説化して稼いでいた主人公が、彼女が人間に戻ったおかげでその手で稼げなくなったことだけが心配なくらいです。
なんというかこう、どこをどう褒めたらいいのかよく分からないんですが、たまに見返したくなります。素人もびっくりの作品でも、巧いことやれば海外でも売れるんだ、と謎の勇気をもらえるというか、ここまでどうしようもなさが突き抜けてると、それに中毒性があると言いますか……
ただ、あの映像酔いを思い出して、なかなか見返す勇気が湧かない作品ではありのですが。
しかし、なんでこの作品、日本盤作ったんでしょうね?
わざわざ字幕つけてまで……これをDVD化するならほかにもうちょっといいのが……
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