場面[3/6]

ナレーター: ところが、二人がベツレヘムまで来てみると、


宿屋の亭主:「お客さん、申し訳ないある。今夜はうちは満員あるよ。住民登録のおかげで国中から人が大勢大勢やって来て、商売繁盛てんてこ舞いある。町中の宿屋がこうあるね」


ナレーター: ヨセフさんは、かんかんに怒りました。


ヨセフ  :「やいやいやい、俺の女房は身重だぞ。それを馬小屋にでも寝かそうってのか?」

宿屋の亭主:「お客さん、それ、グッド・アイデアある! 馬小屋に寝かすあるよ!!

       さあさあ、宿でお困りのみなさん。うちにはまだまだ部屋あるよ。お代はよその半額あるよ。さあ、いらっしゃい、いらっしゃい」


ナレーター: かくして、二人は、馬小屋に泊まる事になってしまったのでした。

       馬もびっくり。ヒヒーンと鳴き出す始末です。


マリア  :「ヨセフさんが余計なこと言うからこうなるのよ」

ヨセフ  :「いいじゃぁねえか、これも旅の風情ってもんだ。

       しっかし、あのおやじ、この馬小屋に何人の客を泊めるつもりだ?」


ナレーター: ところが、一難去ってまた一難、その夜、マリアさんが産気づいてしまったのです。

       やっぱり無理な旅行がいけなかったのでしょうね。


ヨセフ  :「だから、いわんこっちゃない。マリア おい、マリア、大丈夫か!

       おうい、俺はどうすりゃいいんだよう!!」

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