第40話
何でいるの?!
また泊まりきたの?君。
「神ちゃん?」
「何でここに?」
「あーっとね。この前の事がバレちゃって……」
二へッと笑いながら、とんでもないことを言ったぞこの娘。バレちゃったって誰に?もし校内の奴にだと俺また命狙われるんだけど……。
「バレたって誰に?」
「えっ?お母さんだけど」
よかったぁ。……いやよくはないんだけど、バレたら命が危ないよランキング(俺調べ)によると俺の命の危機は恐らくない。あって説教だろう。
「なんでそんなにホッとしてるの?」
「いや、してないぞ」
「えー?してるよー」
ジッと顔をのぞき込んでくる宮野さん。やめなさい美少女が、そんなことをすると勘違いしちゃうでしょ?!俺のよくわからないセンサーが君を俺の嫁だって。
「そ、それよりここに来た要件は」
顔を覗き込まれ続けるのは居心地が悪いので、逃げることに。
「そうだった。お母さんに神ちゃんの家に泊まったことがバレて、怒られた後お礼を渡して来いってこれ渡されて、家から出されたー」
えー、何でニコニコして言えるの?結構一大事だったよ?今の一連の流れ。
流れで差し出された宮野さん母からのお礼を受け取る
ま、宮野さんが気にしてないなら俺が気にしても仕方ないか。でも、一つだけ気が掛かりがあるからそれだけ解消しておこう。
「そ、そっかそっか。ありがとう。……えーっと宮野さん俺、宮野さん母に呼び出されたりしないよね?」
「うん。だってお母さん神ちゃんのこと何も知らない……し」
それなら心配ないな。それに俺の事を知らないならバレたのも友達の家に泊まったってことくらいまでなのだろう。
「ねぇ、神ちゃん」
「なに?」
「今度神ちゃんの家に遊びに行っていい?」
「全然いいけど。急に何で?」
「うーん。神ちゃんから何となく匂いがしたからかな……」
…………えっ?
俺臭い……ってこと?え?え?
「それじゃ、またね神ちゃん♪」
そう言って体をくるりと翻し歩き始める宮野さん。
「えっ?ちょ……」
俺はその足を止めようと声を掛けるが、止めたところで何て聞けばいいのかわからずに、呼び止める声も伸ばした手も中途半端に止まる。
結局宮野さんはそのまま歩き去ってしまった。あまりにも気になるなら連絡してみればいいだけだが、やはり聞き方が分からない以上どうしようもない。
こういう時は考えてもネガティブなほうにいくだけなので、諦めることにしてマンションに入り自分の家まで帰る。ドアの鍵を閉めたところでポケットの中のスマホが震えた。
画面を見ると……宮野さんだ。今さっき別れたばかりなのにどうしたんだろうか?
(遊ぶ日決めてなかった(*ノω・*)テヘ
神ちゃんはいつがいい?)
あ~確かに。遊ぼうとだけ言って帰っちゃったからな宮野さん。それにしても、すぐに連絡してくるってことは直近で遊びたいのだろうか?
部屋に戻り、鞄を床に放って返信をする。
(いつでもいいよ。宮野さんの都合が合う日で)
(なら明日は?空いてる?)
明日か。思ってたより直近だった。まぁ、土曜日だし特に予定もない。それに、時間を空けるとまた宮野さんと母さんが会う可能性があるからな。早いほうがこっちとしても助かる。
(いいよ明日で。昼過ぎくらいに来てくれ)
(りょーかい(๑•̀ㅂ•́)و☆)
メッセージを終えスマホを机に置く。明日遊ぶなら、演説の原稿を今日中に終わらせておいたほうがいいだろう。どうせ日曜にやらないだろうし。そう思い俺は制服のまま机に向かい原稿を書き始めた。
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何の、匂い……?
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