第29話 村からの帰還
その後ユンファから船内の案内を軽く受け住んでいる人たちとの交流をしているともしもの時用に持たされていた端末が鳴った。
「あ、ごめんちょっと出てくる」
そういって一人になると通話ボタンを押して電話に出る。相手はパオラの家だ。
「あっライ君?やっとつながった。ごめんね忙しいところ」
「いえ大丈夫です。どうしました?」
「それがねぇ…パオラがどうもおかしいのよー。
だから悪いんだけど早めにうちにきてもらえるかしら」
「パオラが?えぇ、構いませんよ。えーっとバスないのでタクシーで帰ります」
パオラに何かあったのだろうか?
何やら言い知れぬ不安が俺を襲うのでいてもたってもいられず慌てて帰り支度しているとユンファが顔を出してきた。
「どしたのそんなに慌てて」
「なんかパオラの家から連絡きてすぐ来てほしいって言われて…」
「むっ。じゃあ私も行くわ!
こんなこともあろうかと旅支度はできてるし、折角だからエクセリアの走行艇(陸上型中式自動二輪丁型※)借りて行きましょ!」
流石に悪いと謙遜する俺にユンファは走行艇に飛び乗って早く乗ってと催促するので慌ててヘルメットをかぶり荷物を背負ってユンファに抱き着くように乗る。
「ひゃんっ。
もうっ、変なとこ触らないで!行くわよしっかり捕まってなさい!あと道わかんないから案内よろしく!」
こうして激走ドライブによりパオラの家につく頃には心身ともにボロボロだったのはまた別の話だ。
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※中型バイクの事。カスタムしすぎて馬力とか頭おかしいことになってるし何故かステルス機能までついてる。でも異世界だから道交法なんてありません。エアドライブがあるため空交法だけです。
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