第23話


結論から言おう。

今回の事件の犯人は入学した初日にパオラの事を狙ってた生徒がいただろ?彼だったよ。


あの日に彼は勇気を出して告白したらしいが玉砕した逆恨みだったんだと。


知らんがな


「ふぅん

それで彼は今後どうするって?」


「そこまではまだ決まってないみたいだね

それにしてもそんな事態が起きてたとは気づかなくてごめん」


「ああ、いいんですよ

めんどくさいなって思っただけなので」


「はは…

いやライア君は大人だね」

「ふふーんでっしょー♪

あたしの彼はこうみえて大人なのです」

「「「なに!?」」」」


ただ自慢したいパオラの不用意な発言に殺気立つクラス。

ん?あれ?なんでか野郎どもから殺気のこもった視線が注がれているぞ?俺まだなんだが?


「あ、あーパオラ?その辺にしてくれる?」


「え?あれ?みんな怖いよ?あたしなんかした…?」


「ちょっとパオラあんたこっち来なさい!」

「へ?え?ライアごめぇえええんまたあとでぇえええ」


ほらみろ友人というか女子全員に引っ張ってかれてる

あれは質問攻めだなー帰ってきたら頭撫でてあげよう


嫉妬に狂った男どもと針の筵なんて前世で沢山味わったからな、問題ないさ


ああいうことが起きるとそりゃまず孤立するわけで、一人寂しく校内をぶらついてますよっと


ある教室の前を通りかかると中で何かが動く気配を感じ恐る恐る中を覗いてみた


(中にいたのはアルス先生とカチュアさん?)


算数数学教師のアルス先生がカチュアさんと抱き合っていた

一応こちらには気づいてないようであ、キスした

(オイオイオイマジかよ。)


何かいけないものを見たような気分になった俺はそっとしゃがみ歩きの要領でその教室をあとにした


―のだが、校長先生がこっちに向かってきているではないか!

「おやライア君そんなところで何をしているのですか?」


「こ、校長先生こんにちわ!

パオラの授業が終わるまで待ってようと思いましてまた校内探検を少しですね」


「おやおやそうでしたか。

余り遅くならないうちに帰るのですよ?

あ、あとアルス先生を見ませんでしたか?」


「アルス先生ですか?俺は見てないですね?

少なくともこっちの教室にはいなかったと思います」


「…ふぅむ。

ライア君が何を隠しているのかはわかりませんがまあいいでしょう。

もし見かけたら探していたと伝えてくださいね?」


「はい!先生さようなr―ッ!?」


柔和な笑みを浮かべてきた道を戻る校長の背中にはあの『汚れ』がびっしりついていた


「せ、先生!

ちょ、ちょっといいですか!」


「?おや、どうしました?」


「先生ちょっとしゃがんでください!

あともしかしたらちょっと濡れるかもしれません!」


「???どういうことかな?」

「いいから早く!」

「あ、ああ。わかりました」


しゃがんだ校長先生のせなかに触ってスキルを使う。

すると『汚れ』がじわじわなくなっていく

「おや、これは…」


完全に『汚れ』がなくなって綺麗になった


「今のはライア君のスキルですか?

ここ最近感じていた妙な体の重さがなくなりました」


「はい、突然すみませんでした。

あのままだったら先生死んでたかもしれないです」


「死…っ?!

穏やかではないですし説明していただけますね?」



死ぬといわれて鋭い目つきになった校長先生にスキルの事と女神様に頼まれたことを校長室で説明することになった


「――なるほど…。

女神様が絡んでいると仮定すれば特殊なスキルだという事に説明はつきますね」


「はい、戦争の被害以外にも大気中の魔力が減ってきてたり温暖化現象とか海水位が上がってきているって新聞やニュースでみましたので星の限界年数はわかりませんけど女神様は嘘を言ってないと思います」


「いや女神様は嘘をつくわけないと思いますが…」


「だからもし理由がわからないのに体が妙に重いとかあったら教えてください」


「あ、ああ。わかりました。

私に手伝えることがあったら必ず相談するんですよ?我々教師は生徒の味方ですからね」


「ありがとうございます先生。

それでは彼女が待ってますのでこの辺で」


「はい。気を付けてかえるように」


「はい、先生さようなら」


そういって校長室を出ると今にも乗り込もうとした状態のパオラとそれをがっしり捕まえるカチュアさんと担任の先生

ぽかんとした3人と目が合う

「ライア!大丈夫!?何か言われた!?怒られたの!?ちょっと校長先生に文句言ってくる!」


「だー待って待って待って!

怒られてないから!」


「校長室の前で騒がないでもらえますか?」

慌ててパオラに抱き着いて止める俺たちの騒ぎが室内まで届いたであろう校長先生が扉を開けて苦笑しながら現れた


「大丈夫です。彼には命を救ってもらっただけで何も怒ったりはしてませんよ」


「へっ?」

「本当のことだよ?」

「~~~~~~!!!!

すみませんでしたーーーーーーーーーーーー」


「あーよかったぁ…。

でもウチもまさかお姉ちゃんがあんなことするなんて意外だったよぉ」


「本当ですね…。

まさかあんなに力強いとは…」


「校長先生ご迷惑をおかけしてすみませんでした」


「ははは、大丈夫ですよ。

いい婚約者さんですね?」


「は、ははは…」


本当に申し訳ない




――――――――――――――――――――――――――――――

※校長はライア側の協力者になります。あ、いじめの実行犯君には奉仕活動が言い渡されました。※

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