第16話
あの後話を聞いたパオラさんの両親からおじさんに謝罪の電話と本当にいいのかという確認の電話があった。
そりゃ当然だ。10歳差な上に俺はまだ小1だ。犯罪を疑われても仕方ない年齢である。
パオラさん自身も両親に自分の夢を説明し、熱意をもって説得したらしい。
これには流石に自分たちの出した条件もクリアされたし余りの熱意に根負けしたらしく許可が下りたとのこと。
そうして俺とパオラさんと婚約してから初めての土日。
帰宅時は常に一緒かパオラさん+彼女の姉妹の一人と帰るという状態が続いていたのだが折角だからということで土曜日にデートすることになった。
というわけで待ち合わせの1時間前についた俺はベンチに座りながら待っているのだ。
余裕を持ちすぎて正直手持無沙汰ではあるのだけども。
人の流れや車の流れを見てたら手を振りながらこちらに向かって走ってくる人影が見えた。パオラさんだ。
「おーい、ライくーん!
ごめーん、まった?まったよね?ごめんねー」
平謝りするパオラさんだがまだ待ち合わせの30分前だ
「ううん、俺も今来たところだから大丈夫だよ。はいお水。」
「あ、ごめ…っありがと…はぁっ…はぁっ…んっんっんっ…ぷはぁ!
生き返ったぁ~」
「それはよかった。
ここは暑いから涼しいとこ行こ。」
「あっ…うんっ♪」
そういってどちらともなく手を握り合うと俺たちは駅前にあるカフェに入った。
「はぁーすずしー♪」
「落ち着いた?」
「うん♪ありがとねぇ」
「それにしても今日は凄く綺麗だよ。」
「え、えへへ。
ライ君とのデートだから気合入れちゃったんだ~♪」
そういって照れ笑いを浮かべる彼女はとても可愛かったです。
二人でコーヒー飲みながら彼女がおしゃれしてきたであろうポイントを誉め続けたら彼女は茹でダコみたいになってしまったので
「この後はどうする?
デートって言っても俺こっちに来たばっかだからお店に詳しくないんだけどパオラさんの用事終わったらでいいから色々案内してくれると嬉しいかも」
「あ、そうだよね。
そしたらあたしにまっかせて!
駅前を案内してあげる!」
「そしたらお願いします。」
こうしておねーさんにまかせなさいと得意げに胸を張る彼女に駅前を案内してもらうデートスタートである。
※ライ君爆発しろ
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