第10話 疎開?避難?親戚のおじさん
じいちゃんの死因はテロだった。
しかもじいちゃん個人を狙ったもので巻き込まれた人たちの遺族からは恨み言を少々頂いた。
俺たちのじいちゃんは遺体も残らなかったんだぞ…
手続きを済ませて帰路につく。
今回のものがおじいちゃん個人を狙ったものだったので万が一があるといけないから俺以外の家族全員からおじさんのところに避難しなさいと言われた。
抵抗しようとしたが泣きながら心配で家に一人残しておけないからと言われてしまえば従わざるを得ない。
―こうして俺だけおじさんの家に避難という名の引っ越しが決まった。
おじさんは人族と獣人のハーフで独身で洗い屋さんを経営しているらしく、家の外壁の洗浄やエアドライブ、車等の洗車に勿論衣服の洗濯クリニーニングなど手広くやっているらしい。
貴族から一般人まで幅広い客層から支持を集める凄腕だ。
首都から離れ山間に向かう電車を乗り継ぎ目的の土地についた。
「おーいこっちこっちー」
見知らぬ土地でキョロキョロする俺を見つけておじさんが手を振ってくれる。
「ライア君、だよね?
僕はイスト。
今日からよろしくね。」
にっこり笑って手を差し出してくるイストおじさん。
「こちらこそよろしくお願いしますおじさん」
「うん!
それじゃ家にいこう!
さ、乗って乗って!」
軽トラの助手席を開けてくれるおじさん
この世界にも軽トラってあるんだな
前世との不思議な共通点を見つけほっこりしながら乗り込む俺―
「それじゃ、しゅっぱーつ!」
軽トラを走らせながらこれから向かう土地について説明するおじさんが興味深いことを言っていた。
「この星は女神が作ったっていうのは知ってるかな?
実は僕が住んでる地域ではこの星を作ったとされる二人の女神を祭ってるんだー。
勿論夏はお祭りがあるし秋には縁日もあるからきっと楽しいと思うよー。」
「そうなんですね。楽しみだなぁ」
「あ、ここだよここ!
ここが女神さまを祭っている教会。
ちょっと寄ってみようか?」
車を止めて僕の手を引きながら教会の中に入るおじさん―
荘厳な雰囲気をまとった教会内を見渡す真正面に二つの像が見えた。
その姿はあの日夜中にあった二人のやべー女にそっくりだった――
※人×他種族のハーフは子供を作ることが出来ません。
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