第8話 ユニスティラ


父母の葬儀から半年位がたったころ――

長姉であるユニ姉がお祖父ちゃん以外の家族を集めて家族会議を開いた。


「みんな忙しいところごめんね。

今日はこれからについてみんなの意見を聞きたいと思います。」


お誕生日席には議長であるユニ姉、その右手側からジェイク兄、セリア姉、左手側には俺が座っている。


(おそらく俺には意見を求められないとはわかっているが緊張するな)


転生前も会議と聞くだけで緊張してソワソワして何度もトイレに行ったっけな…

そもそもあの時はあのクソ課長が発表を押し付けてきたからだったような?


「――ィ君

ライ君!ライ君ってば!」


「えあ!?すいません!聞いていませんでした!申し訳ありません!」

慌てて謝ったらつい社畜時代の口調が出てしまった。


「あはははは!おっかしー!ライ君ったらそんな謝り方どこで覚えたのよー笑わせないでよー」


どうやらセリア姉にはウケたらしい。

セリア姉の笑った顔久しぶりに見たな…

あ、ほらジェイク兄も見とれて…いやこっちスゲー顔で睨んでんだけど!?


「ご、ごめん。この前読んだ本の中に載ってたんだー」

内心びくつきながら慌てて弁解する。


「ハイハイ。

そしたらとりあえず私は今の会社を続けていく方向で行くわね。

ジェイクはもうじき卒業なのだからしっかり勉強するように。

セリアもよ?ジェイクと仲良いのは構わないけれどほどほどにね?」


流石長姉だけあってしっかりと見ているユニ姉だが肝心の俺の事には触れなかった。

「ライ君は後でお姉ちゃんとお話しよっか」


「う、うん」

儚げな笑みを浮かべたユニ姉を見てそこはかとなく嫌な予感がよぎる。







※一応父母は保険に加入しており保険金がおりました。

家族4人では少々心もとない額ですがユニスティラは社会人ですので多少切り詰めれば大丈夫かと。

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