第3話 おじいちゃん
俺が転生して数年たったある日の事―
「本当に大丈夫?ライ君の事もお願いしますねお義父さん」
「おう。任せとけ!
お前たちはゆっくりデート楽しんで来い!」
そういって心配そうな母にニカッと歯を見せて笑うお祖父ちゃん。
そう、今日は父と母がデートらしいのだ。
仲睦まじきは良き事かなとお祖父ちゃんに肩車されながらうなづいている俺
「ぱぱままいてらしゃ!」
舌はまだよく回らないがおじいちゃんのスキンヘッドの額に捕まりながら父と母に手を振る。
「よぉしライア、じいちゃんと何して遊ぼうか?」
父と母が乗ったエアドライブが見えなくなるとお爺ちゃんは俺を肩からおろしながらでれでれとした顔をしてそんな問いかけをする。
あれ?初孫じゃないよね?
「きんとれ!」
「そうかそうかじいちゃんと筋トレしたいか!それじゃあじいちゃんがライ君でもできるメニューを考えてあげよう!」
現役の軍人であるらしいじいちゃんの趣味は筋トレ。
現役とは言え今はどこかと戦争しているわけではないし人材が飽和しているので結構休めるらしい。
折角知識がる人間が近くにいるのでこの日もじいちゃんと遊ぶという名目で
転生物の王道である子供のうちから鍛えるをやっているのだ!
「んしょっんしょっ」
「はぁ~かわいいのう~」
もっともじいちゃんは俺が真似事してるのを眺めながらダンベルをゆっくり上下させているだけだが
「ただいまー」
「車とめてくるから準備してて」
「うんわかったよジェイク兄。」
そうこうしているうちにジェイク兄ちゃんの車に乗ってセリア姉ちゃんが帰ってきたらしい。
そうそうジェイク兄ちゃんは俺が生まれた次の年の春に大学の法学部に進んだらしい。
でもってセリア姉ちゃんとは付き合ってるっぽいのだ。
あれ?もしかして近親婚できるようにするためじゃないよな?
「あれ?おじーちゃんママはー?」
「おぉセリお帰り!
ロイスとメアリならデートで町まで行ったぞい!
何時に帰るとか言ってなかったから泊ってくるかもしれんのう?」
わしもばーさんとはそうじゃったからな。と豪快に笑うじーちゃん
「ねーちゃおかりーにーちゃは?」
「あっライ君ただいまー!
おにーちゃんなら車止めに行ってるよ」
にっこり笑って撫でてくれるセリ姉ちゃんになでられながら姉ちゃんを観察する。
赤みがかかった橙色の髪に整った顔、女性らしさを備えてきた胸に引き締まった腰、そこからすらりと伸びた脚。そして家族に向けられる信頼度100%の笑顔―
(破壊力やべーわ)
男子三日会わざるは刮目して見よとは言うが女性にも当てはまるよな。
と久しぶりに帰ってきた美人になった姉に驚く俺であった。
「ただいまー。
セリア準備出来た?」
「あ゛っ!
ごめんちょっとまってーいまする!」
慌てて自室に飛び込んだ姉に苦笑しながらジェイク兄ちゃんが玄関から帰ってきた。
「おうジェイクおかえり!
ロイスとメアリはデートだぞ。
ライ君はじーちゃんとおるすばんでちゅー」
「おるすばんなの!」
「おーそうかそうか。
ライ君もお留守番できて偉いねー」
にっこり笑顔で撫でてくれる高身長イケメン
(顔がいい。でもシスコン!でも顔がいい!)
「あーっ!ジェイク兄がライ君魅了してるし!
私よりライ君のがいいのね」
「してないから!
な?ライ君?な?」
およよと嘘泣きをするセリア姉ちゃんに慌てて取り繕うジェイク兄ちゃんとそれ見てニコニコするじいちゃんと俺
(俺、この世界に来てよかったかも!)
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