第38話 私とも…

あれからパンケーキを食べたが、もう食べた気が全くしなかったね!


木下さんは俺達から見えない席に座っていてこっちにはもう来なかったし、山上さんは落ち着いた様子でパンケーキを食べていた。


まぁ木下さんが何か言いふらしたりするような事はないと思うが。


その後帰宅した俺は、精神的に疲れたのかすぐに眠ったのだった。


朝目覚めた俺がスマホを手に取ると山上さんからメッセージがいくつか届いていた。

「ごめん!帰ってすぐ寝ちゃってた!」

急いでメッセージを送るとすぐに返信がきた。

「全然大丈夫ですよっ!」


昨日の事を木下さんは友達に話したりしたのだろうか。考えると若干気が重くなったが、どうしようもないのでとりあえず学校に向かった。


「おはよ~坂井!」

「お、おはよ~」

特に異常はなさそうだな。良かった…。


席に座ってチラっと山上さんの方を確認すると今日も友達に囲まれていた。


その時視線を感じた。前の席の方にいた木下さんがニヤニヤこちらをみていた。


午前の授業が終わりお昼休みを迎えた時だった。

「坂井君ちょっといいかな?」

「ん?」

「先生が呼んでたよ~!」

木下さんがそう言って俺にだけ見える位置でウインクをしてきた。

…おそらく先生が呼んでいるというのは嘘なのだろう。という事は木下さんが俺に何か話があるという事か。俺が自然な形で教室を出られるようにもしてるしな。

「私も呼ばれてるし一緒に行こ?」

…確定だな。でもそれは言わないでほしかったなー。山上さんがジト目でこっちをみてるし。


一緒に教室を出てしばらく歩いた時木下さんがフッと笑った。

「実はね先生が呼んでいるっていうのは嘘なんだ~!」

「だろうな」

「やっぱり分かってたか~!あ!坂井君お昼は?」

「持って来てるよ」

俺は弁当箱が入った袋を見せた。

「それなら良かった~!ね?一緒にお昼食べてくれない?」

「え?」


何か話をするのかと思ったらお昼に誘われたのだが!?

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