第37話 山上さんの友達に遭遇しちゃった!2

「亜美?」

…うん。俺の空耳じゃなければ亜美って聞こえたような気がするよ。

でも、違う亜美さんの可能性もあるからね!

チラっと山上さんの顔をみてみると…

あ、ダメだ。顔が硬直しちゃってるよ。


さぁどうしようか?誰か教えてー!!


「亜美ー!こんな所で何してるのー?」

「えーっとね…」

山上さんが返答に困っているみたいだ。

だよね…。俺も何か言いたい所だが、なんて言えばいいのかさっぱり分からん!


「お、お腹空いちゃって!アハハー…」


「そうなんだー!で、そっちのあなたは?

坂井君だっけ?」

「あー、うん。坂井です。山上さんとはそこで偶然会って、なんかお腹空いたねーって話になって近くにファミレスがあったからじゃあ入ろうかって事でここに来たんだ!」


一気に早口で話して誤魔化そう大作戦始動!

頼む!誤魔化されてくれ!


「そうなんだー!あ、私木下光。改めてよろしくねー。」

「こ、こちらこそ」

よし、なんとか話は終わったか…。


「で?こっそり放課後デートかな?」

…話終わってないじゃん!!


「いやだからさっき言った通り偶然…」

「フフフ…坂井君は誤魔化すの下手っぴなのかなっ?」

「え?」

「亜美は偶然会ったからって仲良くもないましてや男子と二人でファミレスなんて行かないよっ!ね、亜美?」

「…う、うん」

山上さんは俯いて顔を赤くしながら頷いていた。

…頷いちゃダメだよ、山上さ~ん!

誤魔化そう作戦は失敗だ!


「でも驚いたな~!坂井君って確か亜美の隣の席だったよね?学校では全然話してないのに放課後に一緒にお出かけするほど仲良しだったなんて~!」


「あはは…。」

もうなんて言えばいいか分からないや。


「そ、そういえば光ちゃんは一人で来てるの?」

「そうなのー!図書室で勉強したかったんだけどいっぱいだったんだよね!で、家だと集中出来ないしどうしようかってなってここに来てたんだ!そしたら、亜美と坂井君が居たから声かけちゃったってわけ!」


「「なるほど」」

俺と山上さんの声が重なった。


「アハハ!ってか二人チョー仲良しじゃん。ごめんね、デートの邪魔しちゃって!」


木下さんはそう言うとドリンクバーの方へ行き、飲み物を入れて自分の席へ戻っていった。


「見られちゃったね…」

「だなー…」


俺達はドリンクバーとパンケーキを注文してとりあえず今あった事を忘れる事にした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る