第35話 ちょっとした変化

どうも、坂井です。実は最近学校生活でちょっとした変化があったんです。

なにかと言うと、クラスメイトに話しかけられるようになったんです!


きっかけは、少し前にやった調理実習。

クッキーを作っていたのだが、俺は普段から料理をしているので説明を一通り聞けば簡単に出来たのだが、俺の周りの席の男子達は全く料理をしていないようで分からないみたいだった。


全く接点もない俺が横から何か言うのもおかしいかと思い自分の作業に集中していた。

すると、周りの男子に「料理するの?」と聞かれたので「たまにね」と答えたら「良かったら教えてくれ~」と言われたので分かりやすいように少し手本をみせながら説明した。

その後上手く作れたみたいで「ありがとう~」とお礼を言われた。


まぁそれで関わりは終了だと思っていたのだが、次の日から話しかけられるようになったのだ。お昼ご飯も誘われるようになったので教室で食べる事が増えている。


そうなるとお昼休みの時だけ時々山上さんと話せていたのが、全然話せない状況になっている。山上さん達も教室でお昼を食べているので、すぐそこには居るのだが人がたくさんいて話しかけられない。

仕方ないな。諦めよう(笑)と思いながら、男子達の会話に混ざっていた時だった。

スマホの通知がきた。山上さんからだ。

「最近お話出来てなくて寂しいですっ!」

…誤解がないように言っておきたいのだが、

ほぼ毎日夜テレビ電話をしていますよーー!

「夜話せてるしいいんじゃない?」

あ、返信がきた。

「対面で話したいですっ!」

対面てなんやねん。うーん、どうしたらいいんだろうか?とりあえず返事書くか。

「放課後って時間ある?」

ん?…なんか視線を感じる。山上さんが友達にバレない絶妙な角度でこちらを凝視している。やめてほしいなー。

「凝視しないで!」さらにメッセージを送ると返信がまたすぐに来た。

「デートのお誘いですかっ?」

あー。なんて書けばいいんだこれ、マジで。

山上さんめっちゃこっちみながらニヤニヤしてるし。

こっちも乗っかってみるか。

「そうだよ。時間大丈夫そう?」

そう書いて送った。あ、山上さん確認してる。…顔赤くなったぞ。

多分俺の顔も赤いんだろうなー、今。


山上さんと目が合った。首を小刻みに縦に振ってる。時間大丈夫という事だろう。

またメッセージがきた。

「楽しみにしていますねっ!」


そこでメッセージのやり取りは終了した。

…ん?待てよ。俺、公園のベンチで缶ジュース飲みながら話すぐらいしか考えてなかったんですけどー!

自分から言い出した事なのだが、放課後まで頭を悩ませる事となった。

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