第33話 調理実習
山上さんとのテレビ電話から数日が経過した。不思議な事なのだが、あれから毎日電話をするようになったのだ。普通に雑談をしたり、授業で分からなかった部分を教えてもらったりしている。俺が教えてもらうばかりなので迷惑ではないかと言ったのだが、「授業の復習もできるのでむしろ教えさせて下さいっ!」と言ってくれたのでお言葉に甘えている。
学校では相変わらず山上さんの周りには人がめちゃくちゃいるので話をしたりはしない。
ただ、昼休みに俺がいつもの場所でお昼ご飯を食べていると、ひょっこり現れる事がある。一緒にご飯を食べたりしたりもする。
まぁ、基本的に人の目がありそうな所では話したりはしない。そんな事をしようものなら間違いなく俺は全男子から嫉妬の目を向けられる事になるだろう。
前から思っている事だが、山上さんはやはり男子とはあまり話をしないんだよな~。
告白は度々されているみたいだが。
山上さんはなんで陰キャぼっちの俺と仲良くしてくれているのか?
以前から考えているがやはり分からん。
機会があれば山上さんに聞いてみよう。
それはさておき、今日は家庭科の授業があるのだが調理実習を行うらしい。
自分達でグループを作れとか言われるのではないかと不安だったが、出席番号順で振り分けられたので一安心だ。
今日はクッキーを作るらしい。お菓子を自分で作る事はないが、普段から料理はしているので、先生の説明を一通り聞けば簡単に作る事が出来た。
試食の時間になったので試しに一枚食べてみたが、上出来だな。
後片付けをしていると「亜美ちゃんのクッキー美味しいー!」という女子達の声がした。
なるほど、山上さんはお菓子作りも得意なのか。
調理実習は問題なく終了し、昼休みになった。俺はいつもの場所でお昼ご飯を食べようとしていたのだが、そこへ山上さんがやってきた。
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