第32話 緊張と心地良さ2
…テレビ電話したいです?
テレビ電話っていうと相手の顔をみながら話すアレだよね?
正直やりたくないなぁ…。電話するってだけで緊張ヤバいのに顔をみながらなんて無理ゲーすぎるよ。俺の顔がトマトになる自信があるね!
なんて事を考えてはいたが、せっかくの機会だしやってみるとしますか!
「オッケー。やろうか」
そう言って、テレビ電話に切り替えたのだが、そこには天使がいらっしゃった。
「改めてこんばんは坂井君っ!」
「う、うん。こんばんはっ」
「昨日はお母さんに早くお風呂入りなさいって言われちゃったから今日は先に入ったんだー!だからゆっくりお話出来るよっ!」
「お、おう。それは良かった」
…やっぱりお風呂入ってたのかー!!
なんかいつもより黒髪(セミロング)がつやつやしてるし、顔もほんのり赤らんでるし。
あと、モコモコのパジャマっぽいやつ着てるし。
いかんいかん!見とれてしまっていたよ!
「俺ももう風呂入ったんだ」
何言ってんだ、俺!俺の風呂入った報告なんか山上さんに聞かせてどうするんだよ!
「そうなんだっ!お風呂入ると疲れがスッゴくとれるよねー!」
良かった…。なんかそれっぽく会話繋げてくれてる。ありがとう、山上さん…。
俺もなんか話題をと思った時、ふと放課後の事を思い出した。
「だな。そういえば今日放課後友達に連行されてなかったか?」
「連行って…フフッ。なんかね新しくオープンしたドーナツ屋さんがすごく美味しいから一緒に行こうって誘われたの!」
「へー。ドーナツ屋さんかー。で、美味しかったの?」
「うん!すごく美味しかったよ!たくさん種類もあってね!また行きたいなー!」
「ちょっと気になるな」
「坂井君もドーナツ好き?」
「そうだなぁ。俺は甘い物全般好きだな」
「そうなんだー!あ、あのね良かったらなんだけど今度一緒にドーナツ食べに行かない?」
「えっ、俺もか?…大人数はあんまり得意じゃないんだよな俺。コミュ障だし…。」
せっかく誘ってもらったが話すのがあまり得意ではないので断った方がいいよな。
そう考えたのでそんな風に答えたのたが、
…うん、なんか山上さんがモジモジしてるな。
「え、えっとぉ…二人で行こって意味で言ったんだけど…。」
「あ、そ、そういう事か…。じ、じゃ一緒に行かせてもらおうかな。」
「う、うん!約束だからねっ!」
「お、おう」
…なんかよく分からんが約束しちゃったよ!
それからは新刊のラノベの話や学食のあれが美味しいとか色んな話をした。
正直電話しながらめちゃくちゃ緊張していたんだが、同時にめちゃくちゃ楽しくて心地良さを感じていた。
…山上さんがどう感じているかは分からないけどね。…アハハ。
最初はお互い座って電話していたのだが、途中からはお互い横になりながら話していた。
…やべぇ、ちょっと眠くなってきたな。
昨日から寝不足だったためか睡魔が襲ってきた。だが、それは山上さんも同じだったようでウトウトしだしていた。
「山上さん、眠くなってきた?」
「うん、昨日ちょっと寝不足で…。」
「実は俺もなんだよね。今日はこれでお開きにしようか」
「そうだね。とっても楽しかったよ、坂井君」
「俺も楽しかったよ」
「約束忘れないでねっ」
「おう。じゃあおやすみ」
「うん、おやすみっ」
その後、二人共すぐに熟睡したのだった。
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