第30話 今日もいいですか?
…寝不足です。昨日山上さんとの電話が終了した後からドキドキして眠れなかったのだ。
これじゃまるで恋する乙女だな…アハハ。
会話した内容も緊張でほとんど覚えていないし。
もし次があるなら緊張しないようにしたいな~。
いつあるかは分からんけどな、ハハッ!
なんて思いながら教室に入ると山上さんが友達数人と会話していた。
俺はその横を忍者のように通り抜け席についた。
チラリと山上さんの方に目を向けると、まさかの目が合った。
すぐに目を逸らしたが絶対気付いてるな、あれ。友達にはバレないように話しながら、クスクス笑ってるし。
チャイムが鳴ったので、みんな自分の席へと戻っていった。
すると、山上さんが体をこちらに近づけてきた。
「昨日の夜楽しかったです♪」
…やめてー。なんかニュアンスがエロいんだけどー!また変に意識しちゃいそうだ。
「そ、そうだね。楽しかった」
無難に返事をしてホッとしたのもつかの間、
山上さんが再び爆弾を投下してきた。
「今日も夜電話してもいいですか?」
…ん?聞き違いかな?何か今日も夜電話してもいいですか?って言われたような気がする。
やっぱり、寝不足はダメだね!何か幻聴とか聞こえてきちゃったよ、アハハ。
「あ、あの~坂井君?」
「え?」
「やっぱりダメですよね。坂井君の都合も考えずに言ってしまってごめんなさい」
待って、なんか山上さんに謝らせちゃってるんですけどーー!
いかん、何か言え俺!
「ダメじゃないダメじゃない!俺はいつでも都合つくから!」
「…本当ですか?無理してませんか?」
「してないよ!全く!」
「嬉しいですっ!では昨日ぐらいの時間にまた電話しますね!」
「う、うん。わかった」
先生が教室に入って来たので会話は終了したのだが…。
アハハ…。幻聴じゃなかったのか。
なんか今日も山上さんと電話する事になったんですけどーー!!
今日も寝不足になりそうだな…。
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