第28話 ドキドキの夜2
俺はリビングのソファで固まっていた。
本来ならゴロゴロしながらテレビを見て、
スマホをいじっている時間なのだ。
だが、今はそれどころではない。
理由は、俺がほとんど使っていないメッセージアプリにメッセージが届いたからだ。
…もう一度読んでみよう。
「こんばんは。さっそくメッセージ送ってしまいましたっ!用事は特にありません笑」
これは俺のクラスメイトで超絶美人の山上さんから届いたメッセージである。
今日連絡先を交換した。その時にテンションが上がって「用事がなくても連絡していい?」とか口走ったんだよな、俺。
で、山上さんも同じ様な事を聞いてきたんだよな、確か。
どうせ社交辞令で言っただけで連絡なんてないだろうと思っていたんだけどなー。
さぁ、なんて返信しよう?
…うーん、無難にしておこう。
「こんばんは。メッセージありがとう。
用事ないんだ笑 もう夜ご飯は食べたの?」
よし!送信っと。
どうだろう?無難かな。マジで正解が分からん。
あ、すぐに既読がついた。
「はいっ!もう食べましたっ!坂井君は?」
返信早いな。こんなものなのかな?
「うん。食べたよ。今はソファでテレビ見ながらゴロゴロしてるよ笑」
「そうなんですねっ。私は勉強が一段落ついてのんびりしていました。」
ほ~。山上さんはしっかり勉強してたのか。
俺とは大違いだな。
「そっか~。お疲れ様。ちゃんと勉強してて偉いな。」
「いえいえっ。そんなに長い時間していた訳ではないので。用事もないのにご連絡してしまいましたが、ご迷惑ではなかったですか?」
「全然全然!暇だったし。山上さんからメッセージ届いてテンション上がっちゃったよ」
…送信して思ったのだが、テンション上がったは書かなくてよかったな、多分。
既読ついちゃってるしどうしようもないけどな、アハハ。
「そんな風に言って頂けてとっても嬉しいですっ!私もテンション上がってます!
あの、一つお願いがあるんですけどいいですか?」
よし、気持ち悪いとか思われてなくて良かったわ。本当に。うん?お願い?何だろう?
「俺に出来る事なら大丈夫だぜっ!」
「坂井君と電話したいですっ!」
…おっと?またハードル上がっちゃったよ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます