第19話 楽しい昼食

午前の授業が終わり、昼休憩になったので

俺は忍者のごとく教室を出て目的の場所へと向かった。まぁ、席を立った時から山上さんはこっちを横目でみていたが…。

教室を出て廊下に出た時にチラッと教室の中を見た所…うん、山上さんが俺をロックオンしてるな…。早く行くとしよう…。


前に山上さんとお昼を食べたベンチにやってきた。

「この辺は人が少ないからやっぱり落ちつくなー…」

「落ちつきますよねー!」

「ん…!?」

突然の声に驚いて振り返ると山上さんだった。

「お待たせしました…!」

「いや、俺もついさっき着いた所だから」

というか、山上さん足速すぎじゃないか…。

「坂井君と早く一緒にお昼食べたくて…」

やめてー…顔赤くしてモジモジしながら言わないでー!俺、勘違いしちゃうよー!!

「そ、そっか。なら早く食べようぜっ」

なんとか冷静に言ってベンチに座った…のだが、「はいっ」と言って山上さんも座ってきた。

うん…?山上さん近くないかな!?

っていうか前もこんな事言ってたなー…

今回はもう肩とか膝とか当たっちゃってますねー…山上さんは気付いていないのか?


あっ…これ気付いてるな、多分。だって噴火しそうなくらい顔真っ赤になってるし。


「あー、ちょっと近くないか?」

一応、聞いてみた。


「近くないですっ!お友達なら当然の距離ですっ!」

うん…?そうなのか?友達がほぼいない俺には分からんな。

「男子の友達ともこんなに近いんだな」

山上さんは、友達みんなと距離が近いんだと思いそう言ったのだが、なぜか山上さんは

プクーっと頬を膨らませて「坂井君だからなのに…」と言ってきた。

あれ、また何かしちゃったのか、俺?

っていうかまだ一口もお昼食べてないよー!

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