第14話 偶然―山上さんside―

「はぁ…」

今日は土曜日。なので学校はお休みです。

ですが、気分はちょっぴり憂鬱です…。


入学式前日に私を助けてくれたヒーローさんが坂井君だと分かった時は、嬉しくて心臓が止まりそうでした。助けてもらった時は、

名前も分からないまま別れてしまったから

もう会えないのかなぁ…と思っていたけど

まさか、同じ学校同じクラスで席も横になるなんて!

でも、坂井君は私の事忘れているみたいだし

私から言うのもなぁ…

坂井君は、お礼とかいらない!って感じだったし、私は初対面な感じで話しかけて仲良くなってから、何かお礼をしようと思いました。

それから少しずつだけど、話しかけていって

昨日は一緒にお昼を食べる事が出来ました!


坂井君が、私の作ったお弁当を見ていたので

「良かったら少しどうですか?」と聞いたのですが、「いや、大丈夫」と即言われてしまいました。もしかして、私の作ったお弁当、美味しくなさそうと思って見ていたのでしょうか…。

そう考えると、気になってしまい上手くお話しをする事が出来なくなってしまいました…。

坂井君も、気まずそうにしていて申し訳なかったです。次、会った時はきちんと謝らないと!

今日は、参考書を選びに大きな本屋さんにやってきました。


「よいしょっ…」

参考書を取ろうと手を伸ばしたのですが、

あと少し届きませんっ!

「うーんっ…」

脚立も周りに見当たらないので背伸びして

なんとか取ろうとしていると…


「これで良かったですか?」

声がしたと思ったら、横からスッと取って下さる方がいました。


「ありが…って坂井君!?」

取って下さったのはなんと坂井君でした!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る