第5話 入学式前日

昨日早く就寝したからか、いつもより早く目覚めた。

「朝飯でも作ろうかな…」

料理は、いつも母さんに作ってもらっていたが、実は俺も結構料理をするのは好きだったりする。といっても、人に作ったりしたことはないのだが。

簡単にトースト、ハムエッグ、サラダ、ヨーグルトを食卓に用意しサッと食事を済ませた後は、昨日からの計画通り明日から通う高校の周りを場所の把握もかねて散歩に行く事にした。

俺の自宅から、通う事になる高校までは徒歩圏内である。人混みが苦手なので、バスや電車等はなるべく利用しないで行きたいと思って色々調べた結果今の高校が条件に当てはまったのである。

しかし、この高校地元でも有数の進学校として有名であり、正直俺の成績では難しかったのだが、必死に勉強した結果なんとか入学を果たせたのである。


「思ったより色々な店があるんだなー」

徒歩圏内とはいえ、この辺りにはあまり来る事が無かったので店の多さに驚いた。

数年前までは、この辺りは緑だらけだったはずなのだが、今は建物だらけになっている。

周りを見回していると、建物がやたらデカい本屋や大型ゲームセンターなどもあるようで

非常に興味がそそられた。

「今度人が少なそうな時に来てみよう」

そんな事を思いながら、時計を確認するともう昼過ぎになっていた。

朝早くから、この辺りに来ていたはずだが思った以上に夢中で散策していたらしい。

昼飯を外で食べようかとも考えたが、

「うん、人多いし辞めておこう!」

やっぱり自宅に帰って何か作って食べようと考えた俺は、冷蔵庫に食材があまり入っていないのを思い出しスーパーで買って帰る事にした。


来る途中で近道を発見したので帰りはその道を通ってスーパーに行こうと歩き出していたその時、「あっち行って下さい!!」

数百メートル先にチャラそうな男に絡まれている女性を見かけてしまったのであった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る