第3話 1人暮らし

勇二への相談を終えた俺は、自宅のリビングでコーヒー(砂糖たっぷり入れた甘いモノ)を寛ぎながら飲んでいた。

正直、勇二に相談してバカにされたりしないかなぁと少し考えていたりもしたので、勇二があのように言ってくれた事をとても嬉しく感じていた。

「笑顔で会話かぁ…」手鏡を持って試しに笑ってみたが、魔王の笑った顔の様になっていた。

「いや…魔王に会った事ないけどな笑」

一人でブツブツ言っていると、「ただいまー」と声がした。

「おかえりー」といって顔を玄関に向けると、珍しく父さんと母さんが一緒に帰宅してきた。

「珍しいね、父さんと母さんが一緒に帰ってくるなんて」

父さんと母さんは、同じ会社で働いているのだが部署が全く違うので、いつもは母さんが先に帰宅して夜遅くに父さんが帰ってくるという形になっている。

「今日は仕事が早く片付いたから母さんと帰る時間が同じになったんだ」

父さんは、母さんと一緒に帰って来られたのが、嬉しかったのか笑顔で俺にそう言ってきた。

「そうなんだー」と適当に返事をしていたのだが、急に「大事な話があるんだ」と父さんが真面目な顔をして、食事の準備をしようとしていた母さんもこちらにやってきた。

「どうしたの?」

「実はな、会社のプロジェクトで海外にしばらく赴任する事になったんだ」

「え、いつから?」

「数日後には行く事になると思う」

急な事に、頭が追いつかないのに母さんからも「お母さんもお父さんの補佐として一緒に行く事になったの」

「え、マジ?」

「隼人はどうする?しばらくは帰って来られないだろうし一緒に来る?」

母さんは、そう言ってくれているが正直俺は行きたくない。なにせ、俺は英語が全然出来ないからね!…言ってて情けなくなってきたな…

「俺はこっちにいるよ。英語もあんまり得意じゃないし」

「そう?一人で大丈夫?」母さんは心配そうな顔でこちらをみているが、正直俺は家事は一通り出来るのでその辺は全く心配ない。

「まぁ隼人は家事もしっかり出来るから大丈夫さ」父さんもそう言ったので、母さんも納得した様だ。

「何かあったらすぐに連絡してね」

「うん、分かった」

こうして、一人暮らしが決定したのだった。


ヒロイン登場までもう少々お待ち下さい!笑

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る