オトギワールドと夢の架け橋 番外編

第1話「こんな『オトギワールドと夢の架け橋』は嫌だ」

透井「なんかこれ、久しぶりな気がするな」

夢「長編作品の中で、書いてるやつと書いてないやつがあるもんね～」

透井「俺達は書いてもらえるみたいでよかったな」

夢「いや、必ずしもいいとは限らないのよ……」

透井「そうなのか！？」

夢「とりあえず、お楽しみくださいませ～」

※注意

・ほぼ全文台詞だけなので、誰がどの台詞を言っているのかわかりやすくするために、カギカッコの前にキャラクターの名前を置いてます。

・ネタとネタの間に透井と夢のコメントが入ります。

・感動とか一切無しのネタ集です。

・本編を読んでいないと何が何だか訳がわかりません。

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陽キャ女子「やっほ～、夢っち！　『殺したいほどアイシテル ～ なぜかヤンデレ美少女に命を狙われているオレ ～』の1巻、読んだよ～」

夢「お～、どうだった？」

陽キャ女子「マジ最高だった！　やっぱLOVECA天才だわ～」

夢「でしょ～！　もうバリヤバよ！　バリヤバ！」

陽キャ女子「ね～♪」

『夢と陽キャ女子が超仲良し』

夢「うぉぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ！！！！！」

透井「そ、そんなに嫌か？　仲良しなのはいいことじゃ……」

夢「無理無理無理！　あんな奴らと仲良しとか無理すぎる！　てか、何よバリヤバって！　私こんなキャラじゃないし！　無理無理無理キモいキモいキモいキモい！！！！！」

透井「落ち着けよ」

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※転校生の透井が夢のクラスの教室へ入ってくる。

夢「……え？」

　私は思わずぽかんと口を開けた。

透井「えっと、棚橋透井（たなばし とうい）……です。これからよろしく……」

　そこには、ユキテル君が立って……いや、誰よこいつ。

『透井がユキテルに似てないどころか超ブサイク』

夢「うん、これはダメね。透井君はイケメンでなくちゃ！」

透井「そんなに堂々と言われると恥ずかしいんだけど……」

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透井「夢さん！」

　ジゲンホールを潜る直前、透井は夢が転倒したことに気が付く。彼女の背後には敵対心満々のベネジクトが、口から毒液を垂らしながら迫っている。彼女はゆっくりと背後を振り返る。

夢「あっ……」

　バシャッ

　そして、ベネジクトは夢目掛けて再び毒液を吐き出した。

透井「やめろ！！！」

夢「……」ﾁｰﾝ

『夢、死す』

透井「こんなの嫌に決まってるだろ」

夢「えへへ……///」

卓夫「くたばれリア充」

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※ファシムとの戦闘後、透井に手編みのマフラーを送る夢

透井「え、これ……」

夢「作った」

透井「作った？　夢さんが？」

夢「う、うん……」

　透井君がマフラーに手を当てて驚く。そりゃ、私のような女子力の欠片もないオタク女子が手編みのマフラーをプレゼントなど、らしくない行為に及んだとなると驚きもするだろう。私自身だって、今驚いている。なんでこんなことしてるんだろうって。

　でも、その答えは今、この鼓動が止まらない心臓が教えてくれているのだろう。

透井「夢さん……」

　透井君は私の頭に手を置いた。

透井「すごく下っ手くそだよ……」

『透井がガチクズ』

透井「キャラ崩壊にも程があるぞ……」

夢「透井君はこんなこと言わないものね！」

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※LOVECAのサイン会にやって来た夢

LOVECA「第1問、『恋愛のススメ』でヒロイン島野胡桃（しまの くるみ）が飼っていた犬の名前は？」

夢「え、えっと……ポチ……」

LOVECA「不正解……」

『原作者からの問題に答えられない夢』

透井「せっかくの夢さんのカッコいい場面が……」

夢「まぁ、余程原作を読み込んでる狂人じゃないと、普通こうなるわよねぇ」

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※香李が敵に連れ去られた後、ハルが透井の正体に確信を持つ

ハル「そこで、私はオトギワールドからやって来た彼と出会ったの」

透井「え？」

ハル「そうよね、透井君？」

　もしかして……本当の俺は……

ハル「……いや、ラセフ君」

『透井の正体がユキテルではなくラセフ』

ラセフ「俺かよ」

透井「これはこれで面白そうだけどな」

ラセフ「あんな弱味噌女と恋仲なんか嫌だぞ」

透井「夢さんのことを悪く言うな！」

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※ガイア城入り口にて、香李がゾルドの檻に閉じ込められる

香李「あんたこそかなり得意気だけど、そんなおもちゃみたいな武器で私達を倒せると思ってるの？　哀れね」

ゾルド「あ？」

　香李が檻の中で柵にもたれかかり、なめ腐った口調でゾルドを煽る。彼女の言葉がゾルドの逆鱗に触れ、銃口が彼女の方へと向けられる。余裕綽々の表情がエネルギーの光に照らされる。

「クソガキが……今ここで死ぬか！？」

　バンッ！

香李「……」ﾁｰﾝ

卓夫「香李ちゃん！」

『香李、死す』

卓夫「嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！！！！！！　こんなのダメでござる！！！！！　香李ちゃんが死んでしまうなんて間違ってるでござる！！！！！！　香李ちゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

香李「卓夫、うるさい」

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※ガイア城でのテイントとの戦闘後

ダリア「絶対に……イワーノフを……やっつけて……ね……」

ローダン「ああ、約束する……あいつを倒して……平和を取り戻す……」

　ローダンの大粒の涙が、ダリアの瞳に零れ落ちる。涙の温もりを感じ、安心したようにダリアの意識が遠退いていく。

ダリア「ありが……と……」

　ダリアは安らかに息を引き取った。

ローダン「うぅ……ダリア……ダリアァ……」

ダリア「な～んてね！　死んじゃうドッキリでした～♪　どう？　びっくりした？」

ローダン「……」

　かと思いきや、生きていた。

『空気読め』

アルマス「生きていればそれでいいんじゃない？」

ドロシー「でも読者的には受けないそうよ」

ダリア「私、こんなキャラじゃないよ……」

ローダン「分かってる。お前はもっと魅力的だよ」

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※ユキテルの記憶をちらつかせて脅すゾルド

夢「イワーノフも、もちろんあんたも……みんなの平和を脅かす奴らは……私達が倒す！」

ゾルド「やれるもんならやってみろってんだろ！！！」

　ガガガガガッ

　ゾルドは光線銃を乱射した、色鮮やかな光線が四方八方へと飛んでいき、壁や地面に当たって爆発する。当然夢の方向にも、何発か飛んでいく。

透井「夢さん！！！」

夢「やってやるわ……ヒノカミ神楽（かぐら）……日暈（にちうん）の龍（りゅう）・頭舞（かぶりま）い！！！」

ゾルド「！？」

『著作権ガン無視』

透井「流石にこれはダメだよな……」

夢「ちなみに作者は鬼滅の刃の影響を強く受けて、オト夢を書き始めたそうよ」

透井「やっぱりか。何となくそうだろうとは思ってたよ」

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透井「……奥義、ファイナルエッジ」

　バーンッ！！！

　夢は目の前の光景に唖然とした。透井が駆け出したと思いきや、一瞬にして目の前に氷山のような氷の塊が出現した。中にはゾルドが胸から上下に両断されており、苦痛の表情を浮かべながら氷付けになっていた。真っ二つに切り裂かれたコアと共に。

ゾルド「なっ……な……にが……」

　ゾルドは呻き声を上げながら、光となって崩れていく。コアを破壊されたことにより、氷の中で死を迎えた。一同の度肝を抜いた透井の奥義が、長いようで短い戦いの決着をつけた。

透井「これが、愛の力だ」

ゾルド「クソ……が……」

監督「はい、カット！」

透井「お疲れ様です」

ゾルド「お前さぁ、もう少し手加減しろよなぁ～。凍死するかと思ったぞ」

透井「すまんすまん。つい演技に熱が入って……」

ゾルド「お前の場合は熱じゃなくて冷気だけどな♪」

夢「ぐふっwwwゾルド……おもろいwww」

『撮影の裏側がバレバレ』

透井「いや、そもそも映画じゃないだろ……」

夢「敵と馴れ馴れしくするとか反吐が出るんだけど……」

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※ラセフと戦う透井

　グシャッ！

透井「……あっ」

ラセフ「だって、お前は俺に勝てねぇんだから」

　全く姿を捉えることができなかった。気が付いた時には、ラセフは俺の目の前まで接近しており、あいつの剣は俺の右胸を貫通していた。尋常ではないほどの血液が滴り落ちる。

透井「あ……あっ……」

ラセフ「じゃあな、ユキテル。精々あの世で後悔してろ。馬鹿な両親と一緒にな」

透井「ゆ……め……」

　バタッ

透井「……」ﾁｰﾝ

『ユキテルの心臓が本当に右胸にある』

夢「せっかくの透井君の嘘による神回避が、こんなにも残念なシーンに……」

透井「でもこれ、心臓が右にあろうが左にあろうが普通死んでるよな……」

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※ラセフを前に最後の力を振り絞る夢

　嫌だ……まだ終わりたくない。私が死んだら、透井君の命が無駄になってしまう。そんなことは許されない。私の倫理に反している。勝つ。絶対に勝つ。諦めない。絶対に諦めない。

「諦め……な……」

　でも……

　もう……ダメ……だ……

　助け……て……

　透井……君……

　グサッ！

夢「……」ﾁｰﾝ

『夢、死す2』

透井「こういうの、心臓に悪いからやめてほしい」

夢「でもこうならなかったのは、透井君が守ってくれたおかげだよね」

透井「当然だ。俺はこれからも夢さんを守るからな……///」

夢「透井君……///」

ラセフ「リア充くたばれ」

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※夢と透井の最後の別れのシーン

夢「……嫌だなぁ、もう会えないなんて」

　ああ、しまった。ずっと我慢していたのに、耐えきれるほど私は強くなかったようだ。頬をつたう悲しみが、私を平和を取り戻した勇者から、か弱い女子高生へと戻してしまった。

夢「透井君のこと……こんなにも好きなのに……一緒にいられないなんて……」

透井「……やめた」

夢「え？」

透井「やっぱり国王になるのやめた。これからも夢と一緒にいる。もう絶対に離れない。漫画の世界とか現実世界とか、もう関係ない。ずっと夢と一緒にいる」

夢「透井君……///」

　こうして、二人はずっとシュバルツ王国大戦記の世界に留まり、幸せな暮らしを始めたのでした。めでたしめでたし……。

『あったかもしれないifエンド』

透井「これのどこが嫌なんだよ……別にこの終わり方でもよかっただろ……(泣)」

夢「そうよね……この終わり方の方がよかったよね……絶対そうだよね……(泣)」

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透井「ここまでか？」

夢「作者も久しぶりすぎて、これ以上ネタが思い浮かばなかったみたいね～」

透井「しっかりしてくれよな……もうすぐ新作が始まるってのに」

夢「優樹君と志乃ちゃんの恋物語、どんなかしらね。今からすごく楽しみ♪」

透井「夢さんが人の恋路を応援するって珍しいね」

夢「それはきっと、透井君に出会えたからかな」

透井「そうか、俺も夢さんに……夢に出会えてよかったよ」

夢「私達も新作のカップルに負けないように、これからも頑張りましょ！」

透井「そうだな！　それじゃあ、今後とも『オトギワールドと夢の架け橋』を……」

透井&夢『よろしくお願いします！！！』