第26話 出発

「それじゃ――いざ、アイザード星へ!」

 わたし達は、アニマル星へ来たときと同様に、アイザード星へ向かった。

 アニマル星の子達は、わたし達におまじないをかけてくれた。

 わたし、今は怖くない。

 そう思っておく。

 そうしたら、きっと大丈夫だから。

「うっ、さ、寒い……」

 鈴那達は、身体を震え上がらせた。

 一体、何度なのでしょうか……。

 冷たい風がビュービュー吹いている。

 でも、わたしは平気。

 もしかして、術のおかげ?

「だな。菜乃葉は、『氷の術』だから」

 そうですよね。

 ミライくんは、寒くありませんか?

「俺は大丈夫。シュウヤが今、みんなの寒さを拭い取った」

「そうですか……。それは良かった」

「さあ、行こう。部隊をぶっ潰す」


 ☆


「なんだ、あいつらは」

「隊長! 術を感知しました!」

「何ぃ! それなら、あいつらは……」

 話す暇はなかった。

 部隊は、わたし達の手によって、あっという間に崩壊してしまった。

 鈴那の格闘技、絆の剣術、夢叶の正確で速い位置情報の把握、かおるちゃんの敵の武器の記憶、それらを伝えるななみの速さ。

 そして、異星人の5人は、術を使って相手を吹き飛ばした。

 わたしも、術で色々な機械を凍らせた。

 小部隊だったからか、すぐにおしまいだった。

 シュウヤくんが、隊長らしき人から、争いの星について聞き出す。

「――も、もうこれ以上知らない!」

「おお、そうか。わかったよ。争いの星は、新しい兵器の開発に戸惑って、俺達を探してたってわけか。そろそろ、俺らに頼るのも終わりにしたらどうだ? ――って、お前に言っても意味はねえか。はははっ」

 シュウヤくんは、その人から手を離した。

 異星人といっても、見た目はわたし達と、なんら変わりない。

 不思議だなあ。

「じゃ、ここに誰か残ってくれないか」

 シュウヤくんは、わたし達を見回す。

 すると、何人か手をあげた。

「キキ、残る!」

「ななみ、残ります!」

「夢叶、残ります」

「ななみと夢叶じゃ不安だし、あたしも残る」

「鈴那残るの? じゃあ、僕も……」

「絆、いいの?」

「鈴那と同意見だから」

 どうやら、この5人が残るみたい。

「わかった。じゃあ、残らないやつはついてきてくれ」

『了解』

 わたしは、キキくん達と離れ、シュウヤくんたちについていった。

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