友達になろうアプリ、わたしは夢なき少女

夕日ゆうや

夢なき少女

『友達を作ろう!』

 わたしはそのキャッチコピーにつられて、アプリをダウンロードする。

 そのアプリに自分のプロフィールを入力し、友達を待つ。

 いつもの毎日、いつもの日常。

 わたしは学校で一人校舎裏にあるベンチに腰をかけて惣菜パンを貪っていた。

 するとスマホのバイブが鳴り『友達が見つかりました』と表示された。

「やった。わたしにも友達ができたんだ」

 マッチングアプリはニコニコ笑顔で、わたしの友達の位置情報を開示する。

「え。同じ高校じゃない」

 角を曲がってきた男の子がいた。

「友達、ってキミ?」

「はい。わたし、ミサって言います」

「僕は風戸かぜと。よろしく」

「よろしくお願いします」

 お互いに頭を下げて、友達となった。

「僕はいつか宇宙飛行士になるんだ」

「すごい! そんな夢、わたしにはないよ……」

「そうなんだ。でもこれから見つけていけばいいじゃない」

 ポジティブな人だね。素敵。

 ドキッと胸が高鳴る。

 え。これって……!

 もしかして、わたしはこの人を……。

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友達になろうアプリ、わたしは夢なき少女 夕日ゆうや @PT03wing

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