第十三話  命の

Side ???

 

 がたん、ごとん、がらがらがら。

 ごろごろごろごろごろ。

 はこのなかからみていると、いろいろなけしきがひろがっています。

 「■■■■■■■■■■■?」

 「△△△△△△△△△△△△△△△△△△!」

 このはこをうごかしてくれているにんげんさんもたのしそうです。

 にんげんさんからはぼくは『しゅー』ってよばれています。

 ぼくはなにもおぼえていません。

 きがついたときにはこのかごのなかにいて、にんげんさんふたりといっしょにいました。

 なぜかけがしていたみぎあしをなおしてくれたのはにんげんさんでしたし、ごはんをもってきてくれたのもにんげんさんたちでした。

 だからぼくはにんげんさんがだいすきなのです!

 さいきんは、にんげんさんがまえあしをさしだしたときにぼくもそれにまえあしをあわせると、あたまをあたたかくなででくれるのでもっとすきになったのです!



 がたん、ごとん、がらがらがら。

 ごろごろごろごろごろ。

 いっしょにいはじめてしばらくしたころ、あたまのなかにこんなこえがきこえてきました。

 『一定時間の占有を確認、言語の浸食を開始します。』

 ……?どういうことなのです?

 そのとき、ぼくのなかでにばんめにおどろいたできごとがおきました。

 「おい、大丈夫か?リュウ?」

 なんと、にんげんさんたちのことばがわかるようになったのです!

 「どうしたダズル、何かそいつにヤバいことがあったのか?」

 「……いや、何でもない。いつもと違う行動をしたから何かあんのかと思ってな」

 「そうか。何かあったらすぐに知らせてくれよ、そいつは星誕祭のオークションのためのとっておきの逸品なんだからな」

 「分かってる」

 せいたんさい?しょうひん?

 ことばがわかってもよくわからないいみばかりだったけど、ぼくのことをしんぱいしてくれているのはわかったのです。

 やっぱりにんげんさんたちはいいにんげんさんなのです!



 がたん、ごとん、がらがらがら。

 ごろごろごろごろごろ。

 きょうもいっしょにたびをしていたのですが、すこしだけかわったことがありました。

 「よし、出ておいで、シュウ」

 「ワフ……」

 ときどきはこのなかからでて、いっしょにごはんをたべるようになったのです。

 まえあしをさしだすのは『おて』っていわれたときとわかってから、こうなったのです。

 きょうもあたたかいほのおをかこみながら、にんげんさんとごはんをたべるのかとおもっていました。

 でもきょうはちがっていました。

 がたん、ごとん、がらがらがら。

 ごろごろごろごろごろ。

 がたん、ごとん、がらがらがら。

 ごろごろごろごろごろ。

 がたん、ごとん、がらがらがら。

 ごとごとごとごとごと。

 もりをぬけたとおもったら、くさがいっぱいはえたところにでできたのです。

 にんげんさんたちがはしっているところはいしでととのえられて、おくのほうにははいいろのかべみたいなものもみえていて、にんげんさんたちはそこをめざしているようです。

 がたん、ごとん、がらがらがら。

 ごとごとごとごとごと。

 「バフ」

 「ん?ああそうか、こういうの見るのは初めてか。これは草原って言うんだ。んであれは町だ。」

 「バフゥ?」

 「やめとけリュウ。情が湧くときつくなるぞ?まあもう既に手遅れかもしれんがな」

 「ぬかせ」

 このみどりのだいちは『そうげん』で、はいいろのかべは『まち』というらしいのです。

 またひとつかしこくなったのです。

 「明日からだっけ?星誕祭とやらは」

 「ああそうだ、マジですげぇぞ?あの規模は流石としか言いようがない壮観さだぜ」

 「そうかい。精々楽しみにしておくよ。一番の楽しみはこいつだがな」

 「いくらになるかねぇ、そいつは」

 「たんまり儲けて、優雅な勝ち組人生を送ってやろうじゃないか。物好きにとっちゃあ最高の価値を持ってるからな、こいつは」

 がたん、ごとん、がらがらがら。

 ごとごとごとごとごと。

 にんげんさんたちのあかるいこえがきこえると、こっちまであかるくなってくるのです。

 あのまちにどんなたのしいことがまっているんだろう!





















―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

星誕祭がはじまってからは、投稿テンポも速くなります。

頭の中にルートが50個くらい湧いてくるせいで書きづらいんじゃ……


 








 

 


 

 

  

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