第七話 レオとポリー
Side 澪
和服の人に教えてもらった図書館までやってきたのです。
来てみたのですがなんというか物凄く薄暗い場所にあるのです。
それに加えて何か近寄りたくないと思うような、背中がゾワゾワする感覚がするのです。
背を向けたくなる気持ちを堪えて、私達はしっかりと手を握って入ったのです。
室内に入ると、外の
外の見た目からは全く想像も出来ないほど広い空間に、首を60度傾けてやっと頂点が見えるくらい高い本棚にびっしりと本が詰まっているのが見えるのです。
本棚の森の真ん中には長い読書机が置かれていて、そこには一人だけおじいさんが分厚い本を読んで唸っているのです。
「星の構成がのぅ……」
「あのーすいません?」
声をかけられると、おじいさんは本を閉じてこちらを見たのです。
目が銀色に輝いていてキレイなのです。
「ふぅむ?流れ人がここに何の用かね?」
「この街の事とか色々知りたいので本を探しているのです」
「……なるほど、しかし、ここの本は少々勝手が違うのだよ」
「そもそも図書館の仕組みがわからないのです」
「……ふむ、本当に知らないのか。ならば一度だけ教えてやろう」
そう言っておじいさんは、ここが魔法を用いた図書館であることと、自分が望む情報が記された本を“図書館が”
なかなかに面倒くさいルールなのです。
現実の方でも、先生からドリル一冊丸ごとやれと言われた時は大変だったのです。
「ちなみにの、入ってきた時点で選定は終わっているのだ……ほれあやつが持って来おったぞ」
私達の後ろを指差してニヤリと笑うおじいさん。
振り向くと、三冊の本と共にメイド服を着たお姉さんが立っていました。
「私、図書館の代行者として参りました。バビ、とでもお呼びくださいませ」
ちなみにその面倒くせぇジジイの名前はエンリルです、と。
にっこり笑顔のきれいな挨拶で結構な毒を吐いたのです。
【初級観光パンフレット・アイオロス編】
【基本相場手帳・記憶回路出力型】
【衛星録】
この三冊を渡されたのです。
【衛星録】以外はすごく薄くて数ページくらいしかないし、衛星録も2、30ページくらいなのです。
これならすぐに読み終わることが出来そうなのです!
「では、ご自由にお読みください。理解したかどうかは、私が分かるのでご心配なく」
私達をおじいさんの座る場所の反対側に案内した後、バビさんは何処かへ消えてしまいました。
不思議なのですけど、それよりもこれを読むのです。
ふぅ……読み終わったのです!
「お疲れ様でした。いい読み方でしたよ」
いつの間にか横にバビさんが立っていて、褒めてくれたのです。
読み方を褒めてもらうというのも変な話な気がするのてす。
先生はそういう褒め方ではなかったからなのです?
(スキル:
(スキル:
おぉ、スキルも増えたのです。
「無事にスキルも獲得できたようですね?」
「ふむ、どうやら無事に召喚術も習得出来たようじゃな」
これで仲間をふやせるのです?
「ここで実践してみては如何でしょう?」
「バビにしては良いこと言うのぅ、確かに場所としての適切じゃのう」
そう勧めるので、やってみることにしたのです。
この二人は色んなことを知ってそうですし。
説明を読んだところによると、スキル名を唱えるだけで発動するそうなのです。
手を二人で机の上に突き出して唱えるのです。
「「スキル:従魔召喚」」
おぉ、なんか煙がモクモク出てきたのです。
何か光も出て来たのです!
どんどん光が強くなっていって、目を閉じたその瞬間。
何かが繋がった感覚がしたのです。
そして光が収まったのを瞼の裏で感じて、目を開けてみたのてす。
「「カァー!!」」
そこには二匹のきれいな羽の色をした鳥さんがいたのです。
「ほう、
「どんな子なのです?」
「こやつらは一度番になるとはぐれることがない。その上、どちらも一つ
なるほど、当たり前なのです。
だって私達はいつまでも共に在るのです。
その程度の条件なら、何もしなくても満たせているのです。
「それで、名前はどうするのですか?召喚者が考えないとですよ?」
うーん、そうですねー。
……あ、あれがいいのです!
「「オスがレオで、メスがポリーなのです」」
「……ふむ、いいモチーフを使ったものだな」
おぉ、エンリルおじいさんにも褒められたのです。
褒められるというのは気分が良いものなのです。
それじゃ、これからよろしくなのですよ、レオ、ポリー!
「「ガァァ!!」」
何か鳴き声は怖いのです……
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瑠璃烏……基本的に単独で行動する烏。一人でいることを至上とする性質がある。本来の色は
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