第18話

はははは、思い知ったかぁ。

ハヤトの首筋に赤い血がさっと流れていく。

クラスメイトたちの視線が気持ちよかった。


まだ、殺してはいない。まだ。


ナナミが声高々に訴える。やめて、そんなことしちゃだめ、中川くん!

どう呼び止められても俺の孤独を失わせられるものなんかいないのだ。


復讐は、一人ではできない。


ふと、俺は油断した。ハヤトが次の行動を迎えようとしていることに気づけなかった。

ハヤトは空手部の技で俺に回し蹴りを放ったのだ。


ぐへ、と情けない声を立てて俺は倒れた。ナイフは教室の隅に飛んでいった。

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