第19話 

それから今度は、自分の首元に近づけた。


中川くんだめだ、そんなことするなとクラスメイトたちが今度は俺を止めに来る。指が震える。自殺するのにも勇気がいるのだなと知った。


「ごめんな、俺、イケメンになっても頭が良くなっても何にも変わらなかったんだ」

気がつくと俺の目から涙が流れていた。

ごめんなさい、申し訳ない、本当に馬鹿だったと思ってる。

自分でも何を言っていたのか覚えていない。


ただ、ナイフの刃が冷たかったことだけを覚えていた。

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