第12話

鬱陶しいナナミだけに、俺はいつも余計なこと言うな馬鹿野郎と罵声を浴びせていた。

そしてそんなある日のこと。

「おはよう」

「…」

俺の挨拶に返事を返す人がいなくなった。

また、孤立してしまった。話しかけてくるのはナナミだけだった。

噂が噂を呼び、俺はクズ人間として教室内で広まっていた。

ナナミだけが俺と社会的に繋がっていた。彼女は俺に挨拶し,話しかけ,体育の授業は一緒に移動した。

「馬鹿野郎,お前なんかいなくたって俺はいいんだ」

どれほど馬鹿にしても,ナナミは離れなかった。

ナナミにざまあみろと思えば思うほど、俺の心のどこかが乾いていった。

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