第11話
それから俺は甘いマスクをつけるようになった。
女子には優しくし、男子とはライバルにならない程度に仲良くした。先生にも親切にした。
するとどうだ。
みんなが俺に優しくなった。単純なものだ。俺はそんな単純な世界に嫌気が差していたのだけれど、復讐のために面白くもない話に笑った。
しかしそれを見定めていたのはナナミだった。彼女だけは俺の考えを見透かしていた。
彼女は何度も忠告をした。こんなことをしていると人がまた周りに居なくなるよと。
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